【販売戦略】秋商戦を制する!中華まん販売に見るチャンスロスを防ぐピーク攻略法|昭和に構築された大衆食の販売モデル

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蒸し器から取り出された、湯気が立ち上る熱々の肉まん。中身の具材が豊かにはみ出し、食欲をそそるシズル感を強調。中内功や岡田卓也が重視した「季節の先取り」と「五感に訴える販売」を象徴する、店舗経営の主力商品のイメージ。
「湯気」と「香り」は、言葉以上に顧客の足を止める最強の販促である。最低気温の変化という「閾値」を捉え、ピーク時に蒸し器をフル回転させる計画性こそが、1時間1万4千円の機会損失を防ぐ鍵となる。
出典: 写真AC「肉まん」・著者: チリーズ

販売のピーク(9月~12月)で売り切る体制

 中華まんの販売ピークは12月にあり、年を越した1月には販売数が落ち込む傾向が見られます。この背景には、気温以外の様々な要因が影響しています。

発売当初は、熱々の蒸し器から立ち上る湯気、中華まんの独特な香り、そして目を引くPOPなどが消費者の五感を刺激し、購入意欲を掻き立てます。

12月はクリスマスや年末年始のイベント、冬至、そして気温の低下が重なるため販売ピークとなります。年末までに顧客が何度も購入することで、満足感からか一時的に食傷気味になることも一因です。1月に入るとイベント需要の終了や新年の節約志向などにより、販売数が減少する傾向にあります。

このように中華まんは、お客様を引き付ける季節商品ですので、気温が低下すると中華まんは爆発的に売れる傾向にあります。特に、その年の最初の寒波が到来した際は、温かい食べ物を求める心理が働き、販売数が急増するため、欠品には十分な注意が必要です。

中華まん単品での販売よりも、ランチやディナーの食事時間帯では、弁当や惣菜の追加購入、3時のおやつや休憩の時間帯ではドリンクの追加購入を促す施策も必要になります。

季節商品から一年中楽しめる商品へ

 中華まんは冬のイメージが強い商品であるため、気温が上昇する時期は売上が落ち込む傾向にあります。しかし、現代の店舗経営では、このオフシーズンをただ待つのではなく、新たな需要を創出する機会と捉える動きが活発です。

お盆明けのプロモーションの一環として、新しいフレーバーを期間限定で投入したり、冷たいドリンクとのセット販売を提案したりすることで、季節のイメージを刷新する試みが行われています。また、花火大会や夏祭りといったイベント需要を取り込むことで、季節を問わない商品としての魅力を高めています。

さらに、中華まんの多様化も進んでいます。チーズカレーまんやピザまんといった変わり種に加え、あんまんやゴマあんまんなど、季節を問わず愛される定番商品が人気を博しています。これにより、中華まんは冬だけの「温かい食べ物」という固定概念から脱却し、一年を通して楽しめる商品へと進化を遂げつつあります。

この変革は、過去に焼き芋が販売機の普及によって通年で楽しめる商品へと変わっていった過程と重なる点が多く、昭和に構築された大衆食を現代に適合させた販売モデルの一例と言えるでしょう。

まとめ:成功の鍵は「季節」と「顧客心理」の理解

 中華まんは、気温の低下という明確な要因によって売上が増加し、冬場にピークを迎える典型的な季節商品です。しかし、その販売戦略は、単に気温が下がるのを待つだけではありません。お盆明けからいち早く販売を開始することで顧客に認知を促す「先取り戦略」や、夏場の売上を維持するための新しいフレーバー開発など、多岐にわたる工夫が凝らされています。

成功の鍵は、中華まんがいつ、なぜ、顧客に求められるのかという、季節と顧客心理の深い理解にあります。

今回の記事を通じて、中華まんという身近な商品の裏側にある販売戦略の一端に触れていただけたなら幸いです。今後、さらに具体的な事例を知りたい場合や、他の商品の販売戦略について掘り下げてみたい場合は、ぜひお声がけください。

※専門家がお話を伺い、課題解決をサポートします。

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