緊急事態マニュアル[予防・対処]店舗リスクマネジメントとクライシスマネジメント

店舗経営ではクレーム、事件・事故や災害。そして、食中毒、従業員の不祥事、自然災害、SNS炎上、バイトテロ、情報漏洩、風評被害や自然災害など多くの経営リスクが身近にあり、一緒にして経営危機、閉店や倒産を招く。 店舗リスクマネジメントで事件事故などを未然に防ぐ、または被害を最小限に抑える。店舗クライシスマネジメントで危機的な状況でも被害を最小限に抑え、事業の早期復旧を図る。

【この記事の概要】
 「他人事では済まされない」。いつかあなたに突然襲いかかるかもしれない危機や脅威から、大切な人と店。そして売上と利益を守りましょう。
 店舗経営ではクレーム、事件・事故や災害。そして、食中毒、従業員の不祥事、SNS炎上、バイトテロ、情報漏洩や風評被害など多くの危機や脅威などの経営リスクが身近にあります。これらが発生すると一瞬にして経営危機を招くだけではなく、閉店や倒産に至るケースも発生しています。そこで本記事を参考に、事件・事故などを未然に防ぐ、または被害を最小限に抑える。そして、危機的な状況でも被害を最小限に抑え、事業の早期復旧を図ることができるよう準備をして安定経営に繋げましょう。

この記事の目次

店舗経営におけるリスクマネジメントとクライシスマネジメントの違い

 店舗経営におけるリスクマネジメントとクライシスマネジメントは、事業の安定と継続に不可欠な要素ですが、目的、対象、対応時期において違いがあります。

リスクマネジメントは、潜在的なリスクを事前に特定・評価し、未然に防ぐ、または被害を最小限に抑えることを目的とします。対象は、自然災害、事故、情報漏洩、風評被害や人手不足など多岐にわたり、事業運営のあらゆる段階で継続的に実施されます。

クライシスマネジメントは、実際に発生した危機的な状況において、被害を最小限に抑え、事業の早期復旧を図ることを目的とします。対象は、事件・事故、災害、クレーム対応などの緊急事態であり、危機発生時に迅速に対応する必要があります。

つまり、リスクマネジメントは「予防」、クライシスマネジメントは「対処」という役割分担になります。どちらも店舗経営において重要であり、両輪で対策を行うことで、安定した店舗運営に繋がります。

リスクマネジメントとクライシスマネジメントの詳細と具体例

 店舗経営におけるリスクマネジメントとクライシスマネジメントの違いについて、目的、対象、対応時期の3つの視点からそれぞれを説明します。

目的

リスクマネジメント

 潜在的なリスクを特定、評価、管理することで、事業の安定と成長を促進します。

例えば、飲食店では、食中毒のリスクを最小限に抑えるために、食材の仕入れから調理、提供までの各段階で衛生管理を徹底します。

また、自然災害のリスクに備えて、店舗の耐震性を強化したり、非常用備蓄品を準備したりします。

クライシスマネジメント

 実際に発生した危機的な状況において、被害を最小限に抑え、事業の早期復旧を図ります。

例えば、実際に食中毒が発生した場合、原因究明、患者への対応、関係機関への報告、情報公開などを迅速に行い、風評被害を最小限に抑えます。

また、自然災害が発生し、店舗が損壊した場合、従業員の安全確保、顧客への情報提供、早期の復旧作業などを実施します。

対象

リスクマネジメント

 自然災害、事故、情報漏洩、風評被害、人材不足など、事業運営に関わるあらゆる潜在的なリスクを対象とします。

具体的には、以下のようなリスクが考えられます。

  • 自然災害:地震、台風、洪水など
  • 事故:火災、従業員の怪我、顧客の転倒など
  • 情報漏洩:顧客情報、従業員情報、企業秘密など
  • 風評被害:SNSでの炎上、顧客からのクレームなど
  • 人財不足:従業員の離職、採用難など

クライシスマネジメント

 実際に発生した事件・事故、災害、クレーム対応など、事業に重大な影響を与える可能性のある緊急事態を対象とします。

具体的には、以下のような緊急事態が考えられます。

  • 食中毒の発生
  • 従業員の不祥事
  • 自然災害による店舗の損壊
  • SNSでの炎上
  • 顧客からの重大なクレーム

対応時期

リスクマネジメント

 事業運営のあらゆる段階において、継続的に実施されるべきものです。リスクは常に変化するため、定期的な見直しと改善が必要です。

例えば、定期的な防災訓練の実施、従業員への衛生教育の実施、セキュリティシステムの定期的な見直しなどを行います。

クライシスマネジメント

 実際に危機が発生した際に、迅速に開始される必要があります。初動対応の遅れは、被害を拡大させる可能性があるため、事前の準備と訓練が重要です。

例えば、緊急連絡網の整備、記者会見のシミュレーション、顧客への情報提供方法の策定などを行います。

具体例

リスクマネジメントの例

  • 飲食店:食材の仕入れ先を複数確保し、リスク分散を図る。
  • 小売店:防犯カメラや警備システムを導入し、盗難や万引きを防止する。
  • サービス業:従業員向けの研修プログラムを充実させ、顧客満足度向上を図る。

クライシスマネジメントの例

  • 飲食店:食中毒が発生した場合、保健所への報告、原因究明、顧客への謝罪、情報公開などを迅速に行う。
  • 小売店:大規模なクレームが発生した場合、顧客への謝罪、原因究明、再発防止策の策定などを迅速に行う。
  • サービス業:従業員の不祥事が発生した場合、事実確認、関係者への謝罪、再発防止策の策定などを迅速に行う。

まとめ

 リスクマネジメントとクライシスマネジメントは、どちらも店舗経営において不可欠な要素です。

リスクマネジメントによって潜在的なリスクを最小限に抑え、クライシスマネジメントによって実際に発生した危機に適切に対応することで、事業の安定と継続を図ることができます。

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