【最新版】顧客との心も繋がりが店舗の繁栄を導いた「安心堂白雪姫」の事例│商業経営の原理原則 2.商いの本質

大阪・堺市の豆腐店「安心堂白雪姫」の店主、橋本太七さんと由起子夫人。多くの人を虜にする小さな豆腐屋さん

 夫婦の絆と真摯な豆腐作り。一隅を照らす商いが、お客様の心と舌を魅了。
 「温かな豆腐物語」。店主夫妻の温かい人柄が溢れる大阪の豆腐店「安心堂白雪姫」。金沢の名店で培った技と最高の素材で生み出す豆腐は、食べる人に幸せを届けます。病を乗り越えた夫婦の絆と、顧客との心の繋がりを大切にする商いが、真の固定客を増やし、喜びの輪を広げています。

この記事の目次

真心豆腐と夫婦の物語

「出会い」を喜びと繋ぐ、温かい豆腐店

 夫婦で紡ぐ、真心豆腐。出会いを喜びに変えて。

「振り返れば、常に『与えられたもの』がありました。その中で、お客様に喜んでいただけるよう、ひたすらに努力することが商いの本質だと考えています」と、大阪・堺市の豆腐店「安心堂白雪姫」の店主、橋本太七さんは語ります。

その言葉を、哲学者・森信三の言葉を引用して「『人は一生のうちに出会うべき人に必ず出会う。しかも、一瞬早過ぎず、一瞬遅過ぎない時に』という言葉があります。人との出会いだけでなく、商品や素材との出会いも同様だと感じています」と、隣で見守っていた妻の由起子さんが 付け加えました。

豆腐は、どの商品も似通っており、消費者は製造元を問わず、価格を基準に選びがちな商品です。しかし、『安心堂白雪姫』には、多くのお客様から感謝の手紙が届き、『作った人に会いたい』と全国から足を運ぶ人々が後を絶たない人気店です。1984年の創業以来、『一隅を照らす』という言葉を胸に、豆腐本来の味と美味しさを追求し続ける店主夫妻の誠実な人柄が、多くの共感を呼んでいます。

師の教え、夫婦の道

寿司職人の魂、豆腐に生きる

 船乗りだった太七さんは、子が生まれたのをきっかけに由起子さんに心配をかけまいと、商売を学ぶために北陸・金沢の持ち帰り寿司の名店「芝寿し」へ研修に入ります。その創業者、梶谷忠司さんを今も「人生の師父」と仰いでいます。

芝寿しのものづくりは、厳選された素材選びから始まります。さらに、その価値をお客様に分かりやすく伝えることを重視し、商品名やパッケージにも創意工夫を凝らし、価値を高める努力を惜しみません。

「その妥協を許さない姿勢を私たちも受け継ぎ、『安心堂白雪姫』では、大量生産や低価格とは異なる価値を追求したものづくりをしています」と、太七さんは語ります。

3ヶ月の研修のつもりで働き始めた芝寿しで12年が経ったある日、親戚から大阪で豆腐店の経営を引き継がないかと話を持ちかけられました。二人にとっての『与えられたもの』は、豆腐だったのです。

「もともと商売をしたいと思っていたので、芝寿しで培った経験を豆腐づくりに活かせばいい」と、由起子さんも賛同しましたが、実はその半年前まで、原因不明の病気で入退院を繰り返し、幼い三人の子供を抱えながら寝たきりの生活を送っていました。

「トイレに行くにも、食事をするにも、誰かの手を借りなければなりませんでした。主人は嫌な顔ひとつせず、献身的に世話をしてくれるだけでなく、『今日も元気そうだね』といつも明るく声をかけてくれました。痛みと辛さで泣いているのに、元気なはずがありません」と、由起子さんは当時を振り返ります。

※専門家がお話を伺い、課題解決をサポートします。

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