
古くして新しき
もののみ永遠不滅
事業とは、いくら在り方が成熟していても、経営手法が革新性を失えば滅びる。
「日本の伝統を支えてきた織元さんへの敬意を持ちつつ、海外での認知をさらに高め、アート性の高い作品にも挑戦したい」というビジョンを聞き、思い出した言葉がある。
古くして古きもの滅び
新しくして新しきものまた滅ぶ
古くして新しきもののみ
永遠にして不滅
これは商業界ゼミナール草創期の指導者、新保民八の言葉。戦前戦後にかけて、広告宣伝の第一人者としても名高かった経営指導者である。
いったい何が古く、何が新しいのだろうか。各行前半のそれは伝統や歴史であり、思想や技術の熟成度といった経営の “在り方”を指す。後半のそれはビジネスモデルや経営手法、つまり経営の“やり方”を指している。
事業とは、いくら在り方が成熟していても、経営手法が革新性を失えば滅びる。一方、経営手法が革新的であっても、在り方が未成熟であればやはり滅びる。唯一、永遠にして不滅たりうるのは、時代のニーズをとらえた革新的な経営手法と、伝統に裏打ちされた在り方の組み合わせのみだと、新保はいう。