【なぜユニクロは世界一になれたのか?】柳井正氏を支えた成功の秘訣|商業経営の原理原則 11.個人商店から世界企業へ

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ファーストリテイリングが運営するユニクロのロードサイド店舗。中内功氏の「よい品をどんどん安く」という志を現代に継承し、柳井正氏が実践し続ける「商いの真理」を具現化した世界基準の小売モデル。
【継承される真理】柳井正氏が「座右の銘はこれ以外ない」と断言する倉本長治氏の教え。中内功氏から受け継いだ「小売業の永遠のモットー」が、このシンプルな外観の裏にある革新的な仕組みを支えています(出典:Wikimedia Commons / 著者:663highland / CC BY-SA 3.0)。

柳井正いわく「私の“座右の銘”はこれ以外ない」

最近の起業家は、手っ取り早く儲けようとします。そんなの儲かるわけがない。

 商売の原理原則はいつの時代も変わらないし、「店は客のためにある」以上のものはありません。それなのに、多くの経営者が当たり前と軽く見て、ないがしろにしています。そういう経営者ほど、仕事に戻った瞬間や厳しい局面に立たされたとき、この言葉をすっかりと忘れ、自己都合の商売をしているものです。

そうはなるまい――。駆け出しだった頃から、この思いが私の商売の原動力となりました。

「店は客のためにある」とは、経営者の体裁を繕う美辞麗句でもなければ、耳に心地よいスローガンでもありません。経営のありとあらゆることを、これに徹する覚悟と実践を求める決意の言葉なのです。極めてシンプルな表現の内に、商いの原理原則のすべてが込められています。

ところが最近の起業家は、手っ取り早く儲けようとします。そんなの儲かるわけがない。儲けようとしたら絶対に儲からない。誰も人を儲けさせようと思って、応援してくれる人などいません。

儲けは、己の全身全霊をかけて人に喜んでいただく先にあります。倉本長治さんはそれを「お客様という名の友をつくれ」と言いました。まさに経営の目的とは「お客様」と呼ばれるファンを増やしていくことであり、顧客の創造に尽きます。私が経営者人生をかけて追求してきたことでもあります。

そのためにファーストリテイリングは、私たちの価値観に「お客様の立場に立脚」することを掲げ、私たちの行動規範に「お客様のために、あらゆる活動を行います」と約束しています。企業理念である「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」ことこそ、私たちにとっての「店は客のためにある」の実践なのです。

世の中を変えたいのなら、自分が変わらなくてはならない。だから私たちは勇気をもって、今までの成功を捨ててきました。私たちは常に今の成功を捨てて、未来に向き合っていく集団でありたい。そのとき未来を示す羅針盤、それが「店は客のためにある」なのです。

店とは、経営者のためにでも、社員のためにでも、株主のためにあるのでもありません。何より、店はお客様のためにあるのです。それを勘違いする人がじつに多い。お客様のために役立たなかったら、他のどんな人に役立っても店の存在意義などありません。お客様のために一途になること。それが成果を生み、結果として株主や社員、そして経営者も幸せになれるのではないでしょうか。

だから当社は小売業の範疇を超えて、お客様のために変わろうと挑戦を続けています。そのためには世界中から生の情報を集めて、誰よりもお客様の要望をお聞きして即商品化することです。ファーストリテイリングという社名は、そういう意味なのです。

※専門家がお話を伺い、課題解決をサポートします。

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