
柳井正いわく「私の“座右の銘”はこれ以外ない」
最近の起業家は、手っ取り早く儲けようとします。そんなの儲かるわけがない。
商売の原理原則はいつの時代も変わらないし、「店は客のためにある」以上のものはありません。それなのに、多くの経営者が当たり前と軽く見て、ないがしろにしています。そういう経営者ほど、仕事に戻った瞬間や厳しい局面に立たされたとき、この言葉をすっかりと忘れ、自己都合の商売をしているものです。
そうはなるまい――。駆け出しだった頃から、この思いが私の商売の原動力となりました。
「店は客のためにある」とは、経営者の体裁を繕う美辞麗句でもなければ、耳に心地よいスローガンでもありません。経営のありとあらゆることを、これに徹する覚悟と実践を求める決意の言葉なのです。極めてシンプルな表現の内に、商いの原理原則のすべてが込められています。
ところが最近の起業家は、手っ取り早く儲けようとします。そんなの儲かるわけがない。儲けようとしたら絶対に儲からない。誰も人を儲けさせようと思って、応援してくれる人などいません。
儲けは、己の全身全霊をかけて人に喜んでいただく先にあります。倉本長治さんはそれを「お客様という名の友をつくれ」と言いました。まさに経営の目的とは「お客様」と呼ばれるファンを増やしていくことであり、顧客の創造に尽きます。私が経営者人生をかけて追求してきたことでもあります。
そのためにファーストリテイリングは、私たちの価値観に「お客様の立場に立脚」することを掲げ、私たちの行動規範に「お客様のために、あらゆる活動を行います」と約束しています。企業理念である「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」ことこそ、私たちにとっての「店は客のためにある」の実践なのです。
世の中を変えたいのなら、自分が変わらなくてはならない。だから私たちは勇気をもって、今までの成功を捨ててきました。私たちは常に今の成功を捨てて、未来に向き合っていく集団でありたい。そのとき未来を示す羅針盤、それが「店は客のためにある」なのです。
店とは、経営者のためにでも、社員のためにでも、株主のためにあるのでもありません。何より、店はお客様のためにあるのです。それを勘違いする人がじつに多い。お客様のために役立たなかったら、他のどんな人に役立っても店の存在意義などありません。お客様のために一途になること。それが成果を生み、結果として株主や社員、そして経営者も幸せになれるのではないでしょうか。
だから当社は小売業の範疇を超えて、お客様のために変わろうと挑戦を続けています。そのためには世界中から生の情報を集めて、誰よりもお客様の要望をお聞きして即商品化することです。ファーストリテイリングという社名は、そういう意味なのです。
※専門家がお話を伺い、課題解決をサポートします。

