【最新版】年間45万人に支持され、行列のできる八百屋の秘密|商業経営の原理原則 4.繁盛店が実践する「商売の原点」

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四半世紀で7.5割減の八百屋業界。そんな中、約500種を扱い年間45万人を集客する20坪の店舗が、1日売上20万円を達成。厳しい時代に光る「本物の八百屋」の驚異的繁盛ぶりが際立つ福岡市西区の青果店「やおや植木商店」

仕入れの極意は「誰から買うか」にあり! 旬の産地を巡る

 全国各地の産地を旬の時期に合わせて訪れ、生育状況を確認し、生産者と直接打ち合わせをして選別を行います。この時、植木さんが最も重要視するのは「産地(どこ)ではなく、誰から買うか」という点です。

良い人柄の生産者がつくるものは、やはり品質が良いんです。産地に出向き、つくり手と直接対話することが、非常に重要な意味を持つのです」と、植木さんは産地を回る理由を熱く語ります。単なる品物の仕入れではなく、「人」と「品質」にこだわった関係性こそが、最高の品をお客様に届ける鍵なのです。

「店も生きている!」お客様に寄り添う売場づくりと「食べ比べ」体験

 植木さんが厳選して仕入れた商品とお客様が初めて出会う場所、それが「売場」です。この売場で商品の価値を最大限に伝えることができてこそ、食卓の笑顔は現実のものとなります。

やおや植木商店では、お客様の層や時間帯に合わせて売場や品揃えを柔軟に変えています。

  • 昼前後:日中の時間帯は子育て中のお客様が多いため、幅広い品目を取り揃えています。
  • 夕方:ご高齢のお客様がスムーズにお買い物できるよう、商品のラインナップを厳選しています。
  • 閉店前:共働きや単身者が立ち寄ることを考慮。

小さな子どもやお年寄りも商品を選びやすいように、陳列台を低く抑えるなど、細部にまでお客様への配慮が行き届いています。

また、同店の大きな特徴が「食べ比べ」です。単なる試食ではありません。例えばカボチャやサツマイモなど、一つの品種に対しても、3~4種類以上のバリエーションを揃え、お客様自身に食べ比べてもらいます。これによりお客様は納得して購入でき、安心してその味を楽しむことができます。

植木さんは言います。「『食』とは、命を育む根源であり、単なる金儲けの手段にしてはならない」。植木さんにとって、利益とはまさにお客様の笑顔そのもの。儲けは、その笑顔の後に自然とついてくるものだと信じています。

こうした深い思いに裏打ちされた日々の地道なマーチャンダイジングとマーケティング、そしてそれをたゆまず向上させ続ける姿勢こそが、やおや植木商店の圧倒的な繁盛の源泉なのです。

(商い未来研究所・笹井清範)

※専門家がお話を伺い、課題解決をサポートします。

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