【避難判断】台風・猛暑で営業を止める基準とは?長期休暇前の店舗防災と設備管理のステップ|店舗防災のすすめ 2026年7月

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精肉店の冷蔵・冷凍ショーケース。夏の猛暑期における突発的な停電や、それに伴う食材廃棄ロス、太陽光発電や蓄電池による優先給電設計の必要性を視覚的に伝える精肉売場の写真。
猛暑期に最も恐ろしい冷蔵設備停電による食材ロスを防ぐため、給電優先順位の事前設計を推奨します。(出典:写真AC / 著者:もじゃ)

猛暑期に最も恐ろしい「停電による冷蔵設備ロス」を防ぐ蓄電池戦略

 7月の猛暑期において、飲食店や小売店、サービス業の経営者が最も恐怖を感じるリスクの一つが、「落雷や酷暑に起因する突発的な停電と、それに伴う冷蔵・冷凍食材の大量廃棄ロス」です。

特に飲食店においては、一晩停電しただけで数十万〜数百万円規模の食材が廃棄損となり、機会損失と合わせて壊滅的なダメージを負うケースがあります。

この脅威への実務的な解決策として、近年、店舗への「業務用蓄電池」の導入価値が高まっています。しかし、店舗のすべての設備を稼働させるだけの容量を求めると、導入費用は容易なことではありません。そこで、停電時に「どの設備に最優先で給電するか」をあらかじめ設計しておく優先給電の仕組みが必要となります。

停電時における給電優先順位の設計例

優先順位給電対象の設備導入による実務的効果
第1優先冷凍・冷蔵ショーケース、冷蔵庫食材・商品の適切な温度管理を維持し、大量廃棄に伴う食品ロスや再仕入れコストを防止。
第2優先POSレジ、決済端末、Wi-Fiルーター停電中であっても、キャッシュレス決済 or 手動レジによる会計・売上管理業務を維持。
第3優先最低限の保安照明、防犯カメラパニック状態になる顧客を安全に誘導。かつ、停電に乗じた窃盗や不法侵入などの防犯対策を継続。

蓄電池の選定においては、停電時に自動で「自立運転モード」に切り替わるシステムを搭載したものを選ぶと、現場の混乱時でも安心です。

太陽光発電設備とセットで運用することで、万が一長期停電に陥った場合でも、日中に発電した電気で冷蔵庫を冷やし、夜間は蓄電池で維持させる「24時間自立店舗」の構築も可能になります。

自店の電気容量や使用状況に合わせて、必要な蓄電池の容量や設置場所、補助金の活用方法を平時からシミュレーションしておくことが重要です。

猛暑リスクを多角的に予測する「小さな備え」のチェックリスト

 7月は気象が激しく変化する季節であり、本格的な猛暑が店舗を襲う時期でもあります。夏の機会損失を防ぎ、店舗資産を守るためには、最悪の事態を見据えた多角的な予測(リスクマネジメント)が必要です。以下のチェック項目を長期休暇前に確実に点検しておきましょう。

✅緊急連絡網の再確認:お盆休みや夏休みに入る前に、スタッフ全員の緊急連絡網が確実に機能するかテストを行いましょう。

休暇時の火災・防犯・防犯対策:長期不在時や深夜の無人店舗における漏電火災を防ぐため、不要な電源プラグは抜去。侵入や盗難に備え、防犯カメラや警備システムの死角を再点検しておきます。

停電に伴う発電機等の備え:蓄電池の導入と併せて、より即効性のある選択肢として「ポータブル発電機や予備燃料」を準備し、停電発生時のバックアップ手順を訓練しておくことが必要です。

冷蔵・冷凍品の保存対策(保冷対策):冷凍庫や冷蔵庫の冷気漏れを防ぐパッキンの劣化を清掃・点検し、万が一の長時間の停電に備えて予備の保冷剤やドライアイスの調達ルートを確保しておきます。

吉田明生

この記事を書いた人

吉田明生

防災・危機管理コンサルタント 一般社団法人 災害防止研究所 代表理事 元陸上自衛隊第11旅団長、元ゆうちょ銀行社長特命担当顧問 陸上自衛隊にて方面総監部の幕僚長などを歴任、富士学校や幹部学校で教育・研究に携わる。後にゆうちょ銀行社長特命担当顧問として東日本大震災後のBCP見直し、危機管理や組織管理等に従事。 2018年、般社団法人災害防止研究所代表理事に就任。毎年9月に東京ビッグサイトで防災グッズ大賞展を主催。 ※苗字の「吉」は「土」に「口」が正式の表記。

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