
ハザードマップの落とし穴を見抜く!店舗周辺の現場リスク把握法
梅雨明け以降の長雨や局地的な集中豪雨(ゲリラ豪雨)は、河川の氾濫だけでなく、「崖崩れ」や「土石流」といった土砂災害の危険を著しく高めます。2014年8月に発生した広島市での大規模土砂災害など、過去の水害・土砂災害から得られた教訓は以下の3点に集約されます。
【土砂・水害リスク対策の3大原則】
「崖崩れ」や「土石流」といった土砂災害の危険性
店舗周辺の土砂災害リスクを把握する際は、気象庁が定義する発生危険区域の基準を正しく理解しておく必要があります。特に「崖崩れ」は斜面角度30度以上・高さ5m以上、「土石流」は扇頂部から下流の勾配2度以上が警戒の目安となります。以下の図解を参考に、自店舗の立地環境と照らし合わせて点検を実施しましょう。
【崖崩れ・土石流の発生危険区域】
▲気象庁「崖崩れ・土石流の発生危険区域」資料:自店舗の裏山が斜面30度以上、あるいは勾配2度以上の渓流に面していないか、現場の足で危険度の勾配と距離を直視して点検することが重要です。(出典:気象庁資料 / 著者:気象庁)
行政が作成・公開しているハザードマップは非常に有用なツールですが、利用にあたっては知っておくべき背景と注意点が存在します。
ハザードマップの歴史的背景と「表記の落とし穴」
かつて阪神・淡路大震災以降に自治体がハザードマップの公開を進めた際、一部の地域や開発業者等から「土地の価格が下がる」「物件が売れなくなる」といった反対意見が上がり、公開が遅れた経緯がありました。
一方、近年公開されている洪水ハザードマップは、想定最大規模である「1,000年に1度の確率(年発生確率0.1%)」の降雨を前提として描かれているものが増えています。そのため、マップ全体が危険色で塗られてしまい、逆に「明日起こるかもしれない現実的な危険度レベル」がかえって見えにくくなっている側面があります。
ハザードマップはあくまで「出発点」に過ぎません。経営者や店長は、マップ上のデータだけに依存するのではなく、実際の店舗周辺を歩き、自分の目で傾斜地、側溝の詰まり、低いアンダーパス、避難ルート上の危険箇所を自ら確認しておくことが大切です。