【BCP戦略】線状降水帯の浸水を防ぐ!店舗の営業継続と資金繰り対策|店舗防災のすすめ 2026年6月

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リスク管理店舗経営# SVマニュアル# おすすめ# トピックス# リスク管理# 不正・犯罪防止
雨の中、店舗のシャッター前に土のうを積み上げ、線状降水帯による浸水を防ぐ止水対策を行っている様子。平時からBCPとして止水板や土のうを準備し、迅速な初動対応で資産と営業継続を守る重要性を示しています。
土のうによる止水対策は、水害リスクから店舗資産を守る最も基本的な初動対応です。線状降水帯の接近を予報で察知し、迅速に設営できるよう、BCPマニュアルに手順を定めておきましょう。(出典:PIXTA / 著者:tupungato)

店舗の浸水を防ぐ!実用的な「止水・排水対策」

 店舗の浸水を防ぐには、ハザードマップで自店の浸水リスク(浸水深や想定時間)を事前に確認した上で、出入り口や窓などの開口部を塞ぐ「止水対策」と、店舗周辺の「排水機能の維持」を並行して行うことが重要です。

1.開口部を塞ぐ(直接的な水の侵入を防ぐ)

  • 土のう・水のうの設置: 最も一般的な対策です。土のうが用意できない場合は、40リットル程度のゴミ袋を二重にし、半分ほど水を入れた「水のう」を段ボールに詰めることでも代用可能です。
  • 止水板・防水パネルの導入: 近年は軽量で脱着が簡単なアルミ製の止水板が普及しています。土のうよりも短時間で設営でき、保管場所も取らないため店舗向けです。
  • 窓やシャッターの補強: 飛散防止フィルムを貼り、サッシの溝に防水テープやタオルを詰めることで、吹き込む雨水を防ぎます。

2.水はけを良くする(水が溜まる・逆流するのを防ぐ)

  • 排水設備の点検: 店舗周辺の側溝や雨水ますに落ち葉やゴミが溜まっていると、水が溢れて冠水します。定期的な清掃で水はけを良くしておきましょう。
  • 排水口の逆流対策: 外の排水管がいっぱいになると、店内のトイレや排水口から水が逆流します。逆流防止弁の設置や、水のうを排水口の上に置くことで防げます。

停電・断水時の営業継続(BCP):被害最小化の手順

 インフラが停止した際でも営業を継続、あるいは損失を最小限に抑えるためには、「非常用電源の確保」や「代替手段の準備」が不可欠です。

1.停電対策:電力確保とデータ保護

 突然の停電時にレジやサーバーなどの精密機器を保護するため、UPS(無停電電源装置)を導入し、安全にデータ保存を行う時間を確保します。また、業務を継続するためにポータブル電源や産業用蓄電池を準備し、太陽光発電システムを導入している場合は非常用コンセントを使える「自立運転モード」の活用手順を確認しておきます。

2.断水対策:水源の確保と代替案

 従業員の手洗いやトイレ用に、業務用貯水タンクや非常用簡易トイレ(最低3日分)を備蓄します。清掃の代替手段として、ノンアルコール除菌ウェットティッシュや少量の水で使えるウォータータンクを用意したほうが良いでしょう。

3.優先業務と代替決済手段の確保

 すべての業務を維持せず、「絶対に止められない中核業務」を事前に定義し、人員を集中させます。クレジットカード決済が使えなくなるリスクに備え、モバイル通信環境(テザリング等)や現金決済の運用ルールを準備しておくことが重要です。

4.災害融資と水災補償を活用した「資金繰り」

 水害によって店舗が大きなダメージを受けた際、経営者が最も苦しむのが資金繰りの問題です。万が一に備え、加入している火災保険の「水災補償」の内容を確認し、自治体の災害融資や見舞金制度を事前に把握しておくことが、迅速な事業再開の支えとなります。

吉田明生

この記事を書いた人

吉田明生

防災・危機管理コンサルタント 一般社団法人 災害防止研究所 代表理事 元陸上自衛隊第11旅団長、元ゆうちょ銀行社長特命担当顧問 陸上自衛隊にて方面総監部の幕僚長などを歴任、富士学校や幹部学校で教育・研究に携わる。後にゆうちょ銀行社長特命担当顧問として東日本大震災後のBCP見直し、危機管理や組織管理等に従事。 2018年、般社団法人災害防止研究所代表理事に就任。毎年9月に東京ビッグサイトで防災グッズ大賞展を主催。 ※苗字の「吉」は「土」に「口」が正式の表記。

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