【リーダーシップ】現場が教えてくれたアルバイトリーダーとしての自覚│ドミノ・ピザとスターバックスに学ぶ 第9回

【この記事で分かること】
 雪の日と散乱した休憩室…現場の危機感と不満が、アルバイトリーダーに「自覚」という名の火をつけた瞬間!
 ドミノ・ピザでのアルバイト経験を通じて、マニュアルにない現場の環境整備からリーダーとしての自覚が芽生えた経緯を語る。当初は見過ごしていた休憩室のゴミや汚れた清掃用具に対し、改善を試みるようになる。特に、散乱した後始末を見て怒りが爆発した件や、雪の日のデリバリーでドライバーの安全のため軍手導入を店長に働きかけた経験が、働く誇りとチームへの責任感を高め、真のリーダーシップへとつながった。

この記事の目次

アルバイトリーダーとしての自覚

これまでの自分なら文句を言いながら見過ごしていた状態も、率先して環境整備を試みるように

 グランドオープン後、紆余曲折を経てオペレーションが安定してきた頃、正社員への道を決意してからの私は、アルバイトのリーダーとしての自覚を自ら持つようになった。

更衣室の整理整頓、清掃用具の保管方法、ジャイロ(三輪デリバリーバイク)の整列駐車など、店の環境整備の状態がとにかく気になってしょうがなかった。

更衣室に入ると床にハンガーが落ちている。ランドリーボックスに汚れた制服が投げ込まれたまま。掃除はきっちりできているのに清掃用具が乱雑に保管されている。

そもそも清掃用具そのものが汚いし、店頭が狭い中に駐車しているジャイロが整列されていないなど、常に周囲から見られているという意識や次の人が気持ちよく使えるようにするという思いやりの姿勢を感じられず、がっかりしていた。

これまでの自分なら文句を言いながら見過ごしていたこれらの状態に対して、正しいと思う姿と現状を周囲のメンバーに伝え、都度指摘しながら環境整備を試みるようになっていき、アルバイトリーダーとしての自覚が芽生えていった。

ある日の休憩時間にそれは起きた。店舗環境は悪化して目に余る事態

「まかないを食べられるのは当たり前じゃない!感謝して食べて後始末もちゃんとやらないと!!」

 ピークタイムが過ぎて店が落ち着いてくると、マネージャーがオペレーションの状況を見て、指示のもと順次休憩に入る。その際に熱々のクルーパイ(パートアルバイトスッタフのまかないピザ)が用意される。

最初に休憩に入るクルー(パートアルバイト)はその熱々のピザを手にすることができるわけだが、交代で休憩に入るため、後から休憩に入るクルーには残っている量も少ないし、ただの冷めたピザしかない…。

その日の休憩は後半の後半、クルーの中でも最後だった私は少々諦めた気持ちで「冷めたピザでも残っているだけでも助かるな」と思いながら休憩室に向かった。

すると目に飛び込んできたのは、ピザの耳だけが食べ残されてき箱に放置され、飲みかけの缶ジュースやペーパーナプキンなどのゴミが散乱していて見るも無残な休憩室。

同じような光景はこれまでも見てきて、都度自分が片付けていたのだが、この日だけはあまりに酷い状況が許せず、不満となって爆発した。

「最後にクルーパイを食べたのは誰だ!なんで食べ物を粗末にするんだ。それに、食べかけのピザと空の箱を捨てずに放置するんだ!!」と。

さらに、「クルーパイを食べられるのは当たり前じゃない!感謝して食べて、他の人が休憩室を気持ちよく使えるように、後始末もちゃんとやらないと!!」

私は、クルーパイがなくなっていたことでなく、後始末していない状態が許せなかった。

どちらかというと、いつもは温和な私が感情的になる姿は周囲のメンバーにかなり刺さったようで、一瞬で空気が凍り、皆の顔がこわばったのを思えている。

そして次の日から空のまま放置されている箱を見ることはなくなった。

どんなに忙しくても、いつも周囲のメンバーへの感謝や意識を持ち続けてより良い環境を作っていくことは、仲間とともに仕事をしていく上では重要なことであり、それがチームワークのベースなのではと感じていた。

そして何よりも自分自身がそのような姿勢を持ち続けることが大切なのだと実感していったのだった。

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