労務管理入門「人で失敗し、人で成功する実務」 (第8回)入社時の対応 入社初日に必ずおこなうべきこと ②入社手続き編

労務管理入門

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「一見難しく煩わしく思える入社手続き…」 新入社員の疑問や不安を解消させ、早期退職や採用後のトラブル予防と法令違反であとあと後悔しないように、入社手続きはオリエンテーションの時間内で円滑に行う

入社後のトラブルや法令違反を防ぐために、入社初日におこなうべき入社手続き

前回は、入社初日の取り組み次第で早期離職やあとあとの仕事ぶりや成長意欲に影響を与えるため、オリエンテーションを入社初日に実施することの必要性を解説しました。

オリエンテーションで実施が必要な主な内容は

・雇用契約締結などの事務手続き

・経営理念や会社の目指すべきこと

・就業規則

・店舗の概要や組織

・仕事の概要

・ハウスルール

・チームメンバーやトレーナーの紹介

になります。

そこで今回は、雇用契約締結などの法令上必要な事務手続きについて解説します。

今回の内容

1.入社時の対応の心構え
2.入社手続きフロー
3.入社手続きは迅速に
4.採用時の労働条件明示のルールが変わります
5.第7回のまとめ

1.入社時対応の心構え

「(第6回)採用内定から入社までの対応」では、採用内定後のフォローとして店舗に親しみを覚えてもらうことを目的として、『内定通知書+(プラス)』を送ることをご提案しました。

この『内定通知書+(プラス)』を提案する理由は、入社前の不安な気持ちの払しょくです。

特に店舗のメンバーと上手く人間関係を構築できるかを心配する人は多く、そこで一緒に働くメンバーの顔と名前を前もって伝えておくことで入社後にスムーズに溶け込める工夫をすることで、人材のスムーズな定着を意図しているものです。

では、入社時の対応の心構えを考えてみましょう。

新たに入社するスッタフの初出社の日の気持ちを想像してみると、初出社の日は、新しい職場に対する希望や期待で胸が膨らんでいる方も多いと思います。仕事や人間関係などへの不安や希望がいりまじり、緊張して出勤してくる方が多いのではないでしょうか。

それでは迎え入れる店舗側の準備はどうでしょうか?新人スッタフが初出勤して、お店の裏側である事務所、休憩室、ロッカールームやトイレを初めて目にすることになります。ロッカーやユニフォームは準備され、休憩室などは清掃されていて、整理整頓が行き届いていますか?

そして、ロッカールームで着替える際に、同僚や上司らと初顔合わせになる際の紹介や受け入れができる体制は整っていますか?

また、ユニフォームに加え、名札、タイムカードやレジなどのIDも準備され、初日から業務がスムーズに行える体制になっているでしょうか?

と、ここまでお読みになった方で「そんなことは当然やっている!」とおっしゃる方も多いと思います。スタッフを大切にしている店舗は沢山あると思います。

その必要性は、『内定通知書+(プラス)』の流れから「(第7回)入社時の対応[連載]入社初日に必ずおこなうべきこと ①オリエンテーション編」で解説された通りです。

ところが、入社時に法令上必要な国の保険手続き(雇用保険や社会保険)や労働条件通知書となるとどうでしょうか?

一見難しく面倒に思え、日々の忙しさにかまけて後回しになっていることはありませんか…

そして、お店にとっては日常的業務の一つかもしれませんが、新入社員にとっては大切な一日、人生の新たな門出であることも忘れないでください。

2.入社手続きフロー

必要な入社手続きを時系列で整理するとわかりやすく、把握しやすいのでここで説明します。混乱したり、戸惑ったりしたらここに戻って確認くださいね。

入社手続きフロー

3.入社手続きは迅速かつ適切に

初出社の日は、新しい職場に対する不安や期待で胸が膨らんでいる方も多いと思います。

また人は誰しも大切に扱われたいと思っています。

ところが、現状はどうでしょうか。

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