【この記事の概要】
「売れる店は外から見てわかるのです」
集客競争がますます厳しくなる中、商品値引きの消耗戦に巻き込まれることなく、あなたの店より一つでも多く集客作戦(施策)を効果的かつ継続的に実施している店舗は、お客様から支持され、地域に根付いています。 「ちょっとした心配りがお客様の入店を促すのです」。この繫盛集客術の「攻めの5段階集客術」で地域ナンバーワン店を目指そう。
「売れる店は外から見てわかる」攻めの5段階集客術
昭和から現在まで続々とチェーンストアやフランチャイズチェーンが誕生し成長を続けた。一方で、社会情勢、生活環境や消費構造の変化や店舗数過剰による競争激化によって集客競争がますます厳しくなっている。
こうした経営環境は、どの店にも平等に与えられた条件である。自店だけが厳しいのではない。
実際にこの厳しい経営環境の下、業績向上を実現している店もある。現状を維持することも難しい中、時代の波に呑まれることなく成長している店も、実際に存在しているのである。
では、その店は何か特別な努力をしているのかというと、決してそんなことはない。
そのような店はあなたの店といったい何が違うのか?どこが異なるのであろうか?
その違いは、消耗戦に巻き込まれることなく、あなたの店より一つでも多く集客作戦(施策)を効果的かつ継続的に実施していることである。
ちなみに、記事の写真をご覧いただきたい。これは同じ商店街の同日同時刻に撮影した隣り合わせの飲食店の入口前の状態である。
入口への動線を確保すべく対処している店としていない店の実態で、集客の大原則「売れる店は外から見てわかる」こととは、まさにこの通りのことだ。
このように当たり前のことを当たり前に徹底し、地味な集客作戦をコツコツと地道に実践し、小さな成果を積み重ねているに過ぎない。
その集客術は、業種・業態、店舗規模の大小やチェーン店であろうと個人店であろうと全く関係ない。また、単なる理論でもない。
個店単位で実践する地域密着型のマーケティング活動で「ストアレベル・マーケティング*」と呼んでいる。店それぞれの特性と商圏特性を生かしながら合理的な集客を図るために、現場の実務から構築された極めて実践的なものである。
本稿では、この「ストアレベル・マーケティング*」の実践編として身近な商店街にある店の事例を基に攻めの5段階集客術を徹底解説する。
ちなみに、ロードサイド店舗の場合、この事例を移動距離を人から車に変えれば応用は簡単にできるので、ぜひこの機会に、自店舗特性や商圏特性に合った集客方法を一から見直してほしい。
(詳細)ストアレベル・マーケティング* 参照先:ピープル・ビジネス理論 6章 店舗集客論『ストアレベルマーケティング・マニュアル』
攻めの「5段階集客術」
攻めの「5段階集客術」とは、
作戦1 商圏を攻める
①商圏の正しい理解と把握
②新規顧客獲得とリピーター獲得の方法を分ける
③ターゲットへの確実な情報伝達
作戦2 キーアクセスポイントを攻める
作戦5 店舗前を攻める
の5段階で構成される。
「ストアレベル・マーケティング*」の概念でいうと、作戦5の「店舗前を攻める」ことから始めることがセオリーだ。
なぜならば、店前の通行人を入店させることができない店が、商圏にチラシをばら撒いて来店を促しても入店に繋げることは難しいからだ。
そのため、思うような結果を得られずに費用倒れとなって、諦めてしまっているケースをいまだ多く見受ける。
集客というと店舗前から徐々に集客対象エリアを広げるとことより、広域にチラシを配布し一気に集客しようとする傾向が強いため、自店舗特性と商圏特性を最大限に生かし切れていない。
よって、店舗前から徐々に集客対象エリアを広げ、費用対効果をみた集客の実施が必要になる。
ここで紹介している作戦の順番は、読者がイメージしやすいように構成しているが、実践の優先順位は作戦5から1までを段階的に実践してほしい。