(最新版)店長マニュアル 0.店長の仕事とは

小売店 店長と従業員
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【この記事の概要】
 「店長の仕事と条件とは。店長に求められる責任と必要な能力」
 店長になる前は、自身で直接仕事をすることが多かったと思います。しかしながら、店長になると、将来の可能性が大きく広がると同時に、業務も仕事も一段と増えてきますので、店長一人ですべての仕事をすることができません。
 店長の仕事っていったい何をするのでしょうか。会社から店長には何が求められ、期待されているのでしょうか。店長として円滑な業務ができるように、まず、これらを正しく理解することから始めましょう。

この記事の目次

店長の仕事とは

直接的マネジメントから間接的マネジメントへ

 店長とは、店舗の最高責任者であり、店舗の経営、運営や管理業務を担っています。

店長のマネジメントの特徴は、部下やスッタフを通じて、会社の経営理念や経営目標を達成する間接的マネジメントであることです。

店長になる前は、自身で直接仕事をすることが多かったと思います。しかしながら、店長になると、将来の可能性が大きく広がると同時に、業務も仕事も一段と増えてきますので、店長一人ですべての仕事をすることができません。部下を通じて、経営理念や店舗経営目標を達成する間接的マネジメントが必要になるのです。

 店長の役割は、パート・アルバイトスタッフの確保と育成、部下の育成、高いお客様満足度の実現、店舗の売上や利益の最大化を目指すことが挙げられます。

店長には、現状把握と目標や基準から課題を見つけ、部下やスッタフとの適切なコミュニケーションやトレーニングや権限委譲によるチームビルディングからスッタフらの能力を開発し、店舗の経営目標を達成することが求められるのです。

店長にはお金を扱う大きな責任がある

 店舗経営に必要な人を確保し、育成し、売上や利益を獲得することや店舗経営におけるマネジメント全般が店長に求められる仕事です。

店長の仕事で、最も重要なことは、マニュアルやプログラムだけを単に実施するのではなく、店舗スッタフとの人間関係*の確立と改善です。これができていれば結果は自ずとついてくるのです。店舗経営では、この人間関係*の構築が最も難しいこと。

店長は店を動かし、人も動かします。そして、「お金」も動かし、扱う重責を担っているのです。そのため、中小企業経営者でもあることの認識も必要です。

(詳細)「人間関係*」参照先:ピープル・ビジネス理論4章 人間関係

店長の責任と必要な能力

店長の責任と必要な能力

店長の責任とは

店長の責任
 1. 高い基準の店舗運営で高いお客様満足度(Q.S.Cレベル)を実現
 2. 店長としてのコミュニケーション能力と人財育成能力の向上
 3. 売上と利益を最大限伸ばす義務
が店長の三大責任です。「店長=店のレベル」とも言え、店長は会社の方針を守り、会社の求める基準を達成する責任があります。

店長に必要な能力とは

店長に必要な二つの能力
  1. 人財開発能力
  2. 利益獲得能力
に集約されます。この二つの能力は店舗運営を高い基準の実践によって発揮されるもので、この能力を支えるのが店長のリーダーシップです。

店長の職務

店長の四大職務(店舗経営の四大目標)
 1. 売上の獲得
 2. 利益の確保
 3. 人財の育成
 4. お客様満足度(Q.S.Cレベル)の維持・向上
この四大職務は、店舗経営の四大目標と同じで、店舗経営を通じて段階的、継続的に実現することが店長に求められます。

一時的に売上や利益を増大させようと思えば、大量のチラシやクーポン券をばら撒いたり、原材料費や人件費を一時的に削減すれば短期的に利益を増大させることは可能です。

しかしながら、このようなその場しのぎの対応は、中長期的に見るとお客様の期待を裏切り、固定客を失うことにつながるので、大きな損失を生むと言えます。

そのため、店長の四大職務の遂行によって、会社の求める経営理念や経営計画を段階的、継続的に達成することが店長には求められるのです。

店長の条件

経営者と同じ目線で、事実から冷静沈着に対応できる経営者の器

 店長とは、経営者と同じ土俵に立って、商売マインドが実践できることが求められ、店舗運営に必要な人の確保と育成から生産性を向上させるプロセスにおいて次の条件が必要になります。

店長の条件とは、
 ● 店舗経営の”正しい知識と技術”の習得と熟練
 ● ピープルマネジメント(人間技術)、ピープルプラクティス(人の扱い方)の習得と熟練
そして、店長は部下やスッタフの育成に携わり、強力なマネジメントチームを実現することが求められます。強力なマネジメントチームの実現とは、全員が同じ目標に向かって進み、一人ひとりが、自分の仕事を更によいものにするよう努力する人を育成することです。

また、会社の定めた店舗運営の遵守事項であるオペレーションマニュアルの基準、オペレーション手順やチェックポイントを部下の育成で徹底し、会社の求めるキャリアパスプランの各職位別基準を満たすように早期育成を図ります。

  1. パート・アルバイト
  2. パート・アルバイトトレーナー(パートアルバイトの教育担当者)
  3. パート・アルバイトリーダー(時間帯責任者)
  4. 新入社員
  5. 店長代理
  6. 副店長

さらに、店長という立場になると、日々、様々な困難が降りかかり、それを乗り越えることも必要になります。一喜一憂することなく不動心で対応しないと、自身のメンタルにも影響してしまいます。いろいろな経験を積むことで、成長が伴います。

店長に求められる思考と姿勢

 人財育成や店舗運営状況などにおいては、経営理念や基本理念、会社の求める基準と現状を常にチェックして、改善からレベルアップすることが必要です。

店長に求められるあるべき姿は、問題が発生すれば再発防止をする改善思考、目標を達成すればさらなる上を目指した常勝思考、現状に満足しない成長思考で常にチャレンジする姿勢、成長する姿勢です。

この店長の思考と姿勢は、最終的にあなたが問題処理に追われることがなく、長時間労働や休日出勤をなくし、あなた自身のワーク・ライフ・バランスとクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を実現するためにも、とても重要なことです。

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