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【この記事の概要】
昇格チェックは暗記やペーパーテストで知識の有無を見るのではなく、店舗コントロールや運営状況を見て、お客様満足度である運営水準、スッタフとの信頼関係や店長の条件を満たしているかを判断することがとても重要です。
4. 店長昇格チェック
実は副店長に昇格すると一息つく間もなく、昇格祝いとして直属の上司である担当スーバーバイザー(SV)から『店長マニュアル』が手渡しされる。
その後、SVと店長はその内容を体得すべく、チャレンジの日々が始まる。SVは店長にマニュアルを渡して「やっておくように」などの指示だけではなく、手本を示してリードする(Lead by example.)のリーダーシップで店長のレベルまで短期間で引き上げる。
そして、トレーニングが進んで店長が知識とスキルを習得したら、次はその知識が実践できるかのチェックを店長の実践を見てスキルをチェックする。ここでのチェックと言ってもペーパーテストではない。
SVは店長の勤務時に突然来店し、各スタッフの動きや店舗状況とその原因や根拠を把握して、店長に「なぜ、どうして、そのような対応をしているか」を徹底的に質問攻めにする。それによって、SVは店長から考えを引き出し、知識の有無や正しい意思決定と対応をできているかの確認してくるのだ。
つまり、店長は店舗運営での行動が正しい知識の基で実行されているかをSVに監督されているので、テスト勉強のような一夜漬けは通用しないし、そもそも店舗経営は生きものでもあるので、その状況は刻々と変化しているため、答えは一つではないので、その場を取り繕ったとしてもまったく通用しない。
店長はこのSVの意地悪な質問に、胸を張り、自信をもって回答できてこそ、初めて店長昇格チェックの推薦を受けられる。あくまで昇格チェックを受ける資格を与えられたに過ぎず、店長昇格チェックのスタートに立ったに過ぎない。
その後、スケジュールが決定して店長昇格チェックは、直属の上司ではない他のエリア担当SV数人がチェック当日、店舗に来店して行われる。
そのチェックは、店舗運営状況のチェックに始まって、マネジメント知識有無の確認を質問形式で確認されたり、その知識を本当に実践できるかどうかを店長自身が店舗コントロールを行っている中、適切に現場を把握し、適正な知識で意思決定し対応しているか。現場で働いているパート・アルバイト(P/A)の表情や動きを見て、店長にふさわしいかを第三者の視点から判断され、昇格チェックの合否が決まる。
店長昇格チェックの究極的目的とは、店長の昇格チェックという店を挙げての一大イベントの繰り返しによって、担当SV、店長、他の社員もP/Aのレベルも底上げされ、皆が一丸となるチームビルディングができる機会でもある。当然ながら、店舗の運営水準(QSC)もお客様満足度も同時に向上していく。
「例えマニュアルのコピーはできたとしても、人のコピーはできない」
これが半世紀以上にわたって構築された高質人財を輩出し、競合差別化による店舗展開を可能にするシステムでもある。
店長の昇格チェック項目
1.店長の業務知識
2.店長のマネジメントスキル
3.店舗コントロール
4.総合評価
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