労務管理入門「人で失敗し、人で成功する実務」 (第7回)入社時の対応 入社初日に必ずおこなうべきこと ①オリエンテーション編

労務管理 入社時

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苦労して採用した新人の約50%がなんと初日で辞めてしまう!退職予防と即戦力化は教えることよりも『初日の現場実態』と『仕事と人への不安と緊張を和らげる』ことで決まる

1.早期退職を防ぎ、即戦力化を実現するために入社初日に必ずおこなうべきこと

● なんと新人スッタフの約50%が初日で辞めてしまう!

店舗経営(ピープル・ビジネス)において退職までの期間に着目すると実は新人スッタフの約50%が初日で辞めてしまっているのです。

最初から辞めようと思って出勤するスッタフはいません。なぜ、初日で辞めてしまうのでしょうか?

新人スッタフは採用され期待と不安が入り混じった状態で初出勤をしているのです。そして、誰でも最初は緊張で固くなっています。

この状態で即現場に立たせたり、たて続けに雑用を押し付けてしまったり、人手不足だからとほったらかしにしてしまったり、戦力化を急ぐばかりにトレーニングをしたとしても何が何だか分からずに終わってしまい、ただただ疲れ果てて終わりという結果になってしまいます。

これでは戦力化などということは論外で初日で辞めていくのは当たり前のことなのです。仮に初日に辞めなかったとしても一週間以内に辞めてしまう早期退職につながる可能性が大と言えます。

ちなみにスタッフの退職時期はこの初日に加え、一週間以内、一ヶ月以内と三ヶ月以内の退職が全体の80%以上を占めており、ピープル・ビジネス理論ではそれぞれの退職原因を究明し、マニュアルやシステムによって改善を実現しています。

2.即戦力化とは教えることよりも初日の現場実態で決まる

● 新人は初めて見聞きしたことをその店の基準と受け止めます

その訳は、「あなたがかもし新人スッタフであればどのように感じるか?」を考えれば分かります。

入店時に「本日入社の○○です」と伝えても話が通っておらず待たされたり、店舗入口、売場、事務所、休憩室、ロッカールームやトイレが汚く、乱雑であったり、在庫がいっぱいで通れない通路、置き傘でいっぱいの傘立て、枯れかけている観葉植物、ドアや照明の不具合やトイレの故障など施設面の故障や不具合やユニフォームや名札が準備されていないなどの状況をあなたはどのように受け止めるでしょうか。

仕事が大変そうな職場、店舗の雰囲気が悪く入社を歓迎されていないのではと不安になったり、施設面の故障や不具合、乱雑で汚い状態が当たり前と思ってしまうのです。

教える前に、新人を迎え入れる前に、実際の基準であり、見本となる現場環境を整えることが、人財開発の基盤となります。

● 仮に退職しなかったとしてもあとあとの仕事ぶりや成長意欲に大きな影響を及ぼすことに

その店の基準として記憶され、汚くて当たり前、壊れていて当たり前の労働環境として受け止めるとの認識が必要です。

最初に感じた雰囲気や見聞きしたことが、あとあとの仕事ぶりや成長意欲に大きな影響を及ぼすことになるのです。

入社後に「あの時はたまたま壊れていた」と言ってトレーニングしても通用しませんし、何を言っても後の祭りなのです。

成長意欲があり、責任感が強く、一生懸命働きたいという資質のある有益な人財はこの時点で職場に見切りをつけて退職してしまいます。

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