店舗販促 1.集客アクションツリーをつくる[販促カレンダー付]

チラシ 集客
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【この記事の概要】
 「集客の知恵袋」
 なにげない集客作戦も実は現場の知恵を結集した作品集!少しの集客知識と現場観察力の差から、結果に大きな差が生じる。

この記事の目次

はじめに

 いろいろな店で展開されている集客作戦。一見なにげなく映るかもしれないが、現場の知恵を結集した素晴らしい作品集だ。逆に、マンネリ化で息切れしている店もある。これらの違いは、少しの集客知識と現場観察力の差であることが多い。

そこで本稿では、その差を埋めることを目的に、身近な集客の事例を取り上げ集客ノウハウと照らし合わせて解説を進めていく。

特にさまざまな事例から、集客の視点と考え方を習得してほしい。あなたの店の集客活動を見直す機会ととらえ、ワンランク上の集客活動にチャレンジしよう。

そこで今回は、集客を成功させるために必要な基本知識を紹介することにしよう。

集客のキホン:集客アクションツリー

集客 集客アクションツリー

 先日のこと支援先の店長と集客についてこんな会話会話をした。

A店長:「ほとんどの販促はやったので、もうやることがありません。何をしたらいいのかわかりません」

小山:「本当にそうなの? 周辺の店では、いろいろな集客活動をしているのに」

A店長:「店が忙しくて見にいけません」

小山:「集客を研究する時間が取れないの?」

A店長:「ハイ」

小山:「実際に努力はしていることは素晴らしいけど、それはあくまでも自分の知っている範囲での努力。自分の集客の知恵袋を大きくすればもっと効果が期待できるよね」

A店長:「集客の知恵袋!?」

集客の知恵袋とは、専門知識を詰め込むのではない。行動でき成果につななぐことができる知識の豊富さのことだ。

そして、集客の知恵袋を大きくするには「集客のキホン」を正しく理解する必要がある。
集客のキホンとは、日ころから考えている集客アイデアを客数アップの公式に照らし合わせて、行動ベースまでアイデアを落とし込むことだ。

(図)客数アップの公式

客数アップの公式 集客

これを具体化したものを、ピープル・ビジネスでは集客アクションツリーと呼んでいる。そこで次に、このアクションツリーに基づいた集客術について、段階を踏んで具体的に説明しよう。

集客アクションツリーの構造と作成手順

集客 集客アクションツリー

ステップ1 公式を図表化する

 客数アップの公式を図表化する際に、①顧客分析、②集客アクション分類を加えて作成しよう(図1参照)。そうすることで。公式を眺めているよりも、全体像が見えるし、具体的なアクションも見えるので、どんな行動をするが描けてイメージしやすくなる。

(図)客数アップの図表

客数アップの公式 集客

ステップ2 集客アイデアを書き出す

 街で見たこと、普段から考えていることや日頃から実践していることでも構わない。難しく考えずに箇条書きで1項目も多く書き出すことがポイントだ。例えば、チラシ配布で考えると「折り込み」「手配り」といった基本的なものでよい。

ステップ3 集客アイデアを目的別にまとめる

 客数をアップする具体的行動は、(図)客数アップの公式からも分かるように、新規客の獲得なのか?固定客化なのか?あるいは利用頻度を上げるのか、の3つしかない。したがって、書き出したアイデアを(図)客数アップの図表に基づき、さらに集客アクションを加えて行動を明確にする。

アイデアが整理できるとともに、目的に沿ったアクションが明確になり行動しやすくなる。実際に、目的によってアクションは異なるし、また、変化させることで期待した効果を出しやすくするのが、ここでのネライである。

その際のポイントは、パートアルバイトスタッフ(以下、P/Aと略)と一緒に作成すること。店長一人でいくら知識を絞っても、祭りのみこしを一人で担ぐようなもので、限界があるからである。P/Aとともに知恵を出し合って作成するからこそ、たくさんのアイデアを引き出せるのである。

さらには、アクションを起す際に、P/Aから協力も得られやすくなり勢いが増す。誰だって自分の考えたアイデアが認められればうれしいし、モティベーションモアップにつながり、積極的に協力してくれるものだ。

効果的なアイデアの収集方法はP/Aミーティングを開き、ブレーンストーミングを通じてKJ法でアイデアを集めることだ。具体的には、P/Aにあらかじめアイデアを考えてP/Aミーティングに参加してもらい、10~20分程度、時間を与えて付箋紙にアイデアを書き出してもらう。

次に、前もって用意した①顧客分析と②集客アクション分類までのツリーに付箋を張って、アイデアを共有するのだ。より多くのアイデアを出すために、P/A同士でアイデア数を競わせたり、グループ単位で時間を競わせたりなど、ゲーム感覚で行うとさらによい。

(補足)
・ブレーンストーミングとは
ミーティングなどの限られた時間内に、参加者が自由に意見やアイデアを出し合い、新たなアイデアをまとめる立案企画手法の一つ。

・KJ法とは
ブレーンストーミングなどによって得られたアイデアを関係性や本質性から整理し、要因のグループや優先順位を明確にして、問題解決などの結果を導くための方法。呼び方の根拠は、考案者の川喜田二郎氏(文化人類学者)のイニシャルです。

ステップ4:アイデアを行動ベースに落とし込む

 まとめたアイデアを実行しやすいように、行動ベースまで落とし込む。よくあるのは、計画に労力を使いきってしまって実行が伴わないことだ。どんなに素晴らしいアイデアや計画であっても、行動しなければ成果は得らない。

ここでは、明確なアクションを「誰」が「いつまでに」実行するのかを明確にすること。つまり、担当者と期限を明確にして、計画をスムーズに行動に移せるようにすることがポイントになる。

まとめ

 この集客アクションツリーは、一度作成してそれで終わりではない。日ごろから継続的に活用するものなのだ。実行したこと、気付いたアイデアがあれば、常に書き加えていくことためのツールなのである。

また、集客アクションツリーは集客活動のロードマップでもある。目標を定め、どんな「道のり」で行くのか迷ったら、ロードマップで確認する。

この方法を繰り返すことでロードマップが頭に叩き込まれ、限られた時間で効果的な集客活動ができるのである。この地道な日々の活動を通じて、初めて集客の知恵袋を大きくすることができるのである。

ぜひ、自店独自の集客アクションツリーを作成して欲しい。小さな木の苗を立派な樹木に育ていこう。次回からは、この集客アクションツリーに基づいた事例を紹介していく。

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