ピープル・ビジネス理論 3章 人財開発論『リクルートアクション・マニュアル』 3.募集活動 ステップ3:お客様からの採用

募集 貼り紙

「人手不足の時間帯に来店しているお客様は、その時間帯に働いてもらえるチャンスがある人」 店内に求人ポスターを数枚貼ったからといって、ほぼ募集は来ないと思ってください。待ちの姿勢では応募はありません。お客様からの採用を成功させる採用活動の方法について説明します。

ステップ3 お客様からの採用

人手不足の時間帯に来店しているお客様は、その時間帯に働いてもらえるチャンスがある人

あなたの店で働くスタッフは、かつてお客様であり、地元で暮らし、働き、遊んでいた人たち。特に、人手の足りない時間帯に来店しているお客様は、その時間帯に働くチャンスがある人財と捉えることができます。

そして、何度かリピートいただいていれば、お店の商品や価格、お客様満足度(品質、サービス、清潔感)、行きやすい立地、雰囲気やP/Aの身だしなみなどが伝わって、一定の満足がある状態といえるでしょう。

それは、そのお客様対して働く場としてのアピールをする機会でもあり、自店が必要としているレベルの人財であることを伝えることもできる絶好の機会ともいえます。

つまり、自店舗が必要としている時間帯に、必要としているレベルの人を、あなた自身が見つけて、積極的なアプローチをすることができる極めて効果的な採用方法なのです。

「求人告知の質=応募者の質」

質の高い応募者を求めるならば質の高い求人広告ツールであることも必要になります。

例えば、求人ポスターを見ても『急募』の見出しに『時給、時間、休み、応相談。まかない付き』などの簡単な情報が手書きで書かれた乱雑なポスターや色あせしていたり、破れかけたポスターを掲示している店舗と、真逆にデザインやラミネート加工された質の高い求人ポスターを掲示している店舗の二つに大別されます。どちらも当然ながら、相応の人からの応募になります。

つまり、そのポスターを見て応募したいと思うわけですから、例え、募集時給が高かいなどの条件が良かったとしても自分に合った質に応募をしてくるのです。採用できたとしても、業務の習得に時間がかかったり、業務の質が悪かったりして、結果、早期離職につながることがよくあります。

東京・港区赤坂のとあるお店の店頭にこのような手書きのパートアルバイト募集ポスターが貼ってありました。あなたがこれを見てあなたは何をイメージし、どのように思いますか?応募したいと思いますか?

募集 貼り紙
手書きのパートアルバイト募集ポスター

達筆で内容は至ってシンプルで「委細面談」とあり、お堅く昭和的な厳しいイメージで、几帳面にきちんと8ヶ所、ガムテープで留められています。

時給、勤務時間や曜日などの労働条件や交通費やまかない支給などの待遇の明示、店舗イメージを伝えるメッセージをもう少し柔らかに表現すれば効果も変わるのではないでしょうか。

そして、ガムテープやセロハンテープでポスター類を貼ったり、破れの補修に使ったりすることが、よくありがちなことです。ポスターはラミネート加工するなどして両面テープで貼るほうがイメージも良くなります。

たかがポスター1枚のことかもしれませんが、ポスター1枚すら管理ができない店が感情のある人の管理まで、できないことがよくあるのです。

しかしながら、中には、手書きで乱雑なポスターを見て応募し、活躍してくれる人もまれにいます。

ブックオフ一号店の店頭に貼られていた”求人の貼り紙”の時給600円を見て「娘の学費の足しになれば」とパートとして入社して主婦目線での徹底した現場主義でブックオフの礎を築かれた二代目社長の橋本真由美さん。なんと時給600円のパートから正社員、取締役からまさかの上場企業の社長へと。驚くべき人生を歩まれました。

これは求人ポスターが応募のきっかけを与えましたが、「古ぼけた古本屋ではなく、新刊書店のような中古本店」で人を惹きつける店舗の魅力や橋本真由美さんの人柄も相まっての結果といえます。

店舗経営ではあくまでも「求人告知の質=応募者の質」であり、「海老で鯛を釣る」ことは難しいとお考えください。

お客様からの採用を成功させる採用活動とは

では、お客様からの採用を成功させるためにはどうすればいいのでしょうか。

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