ピープル・ビジネス理論 3章 人財開発論『リクルートアクション・マニュアル』 2.募集準備 (6)スタッフィングⅢ 必要採用者数の算出

ビジネス 進捗

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モデルワークスケジュールを作成し業務を人に合わせて必要採用者数を決めないと、土日などの繫忙期などは人手不足になりやすく、人の育成、フロアサービスや売上を獲得するストアレベルマーケティングなどの重要な活動も後回しになり、結果、売上も獲得できず、人手不足を招いてしまう

何曜日の、どの時間帯に、働ける人が何人必要なのか

せっかく採用しても土日はお休み希望のスタッフを抱え、必要な時に人手不足にならないために

これまでに解説してきた

(4)スタッフィング Ⅰ 適正人員の算出

(5)スタッフィング Ⅱ 離職者数の予測

を実施して、次に必要なことはスタッフィングの総括ともいえる必要採用者数を算出することだ。

ほとんどの店の場合、この「必要採用者数を算出」から始めていることが多く、人手不足を招いていることが多い。

店舗経営の特性から、

・どの何曜日の

・どの時間帯に

・働ける人が何人必要なのか?

を考慮して必要採用者数を算出することが重要になる。

もちろん、店舗経営に従事している皆さんにとっては当たり前のことかもしれないが、この当たり前の考え方がマネジメントチームで共有されていないと、採用したものの土日はお休み希望のスタッフを抱えてしまい必要な繫忙期に人員確保ができないといった問題に直面することになる。

そのため、ここではこの問題を解決するモデルワークスケジュール作成による曜日別、時間帯別の必要人員数の把握の仕方を紹介したい。

曜日別、時間帯別の必要人員数の把握

「人を業務に合わせる」のではなく「業務を人に合わせる」

通常営業から必要人員数を見積もっていることが多いのだが、その場合、ピークの波を捌ききれなかったり、スッタフの遅刻欠勤などの突発事象に対応できなかったりで、オペレーションはバタバタして安定せず売上獲得の機会損失、クレームの発生などからただただ忙しく、スッタフも達成感や満足度のない、ただ疲れるだけの職場になり、退職という結果をまねいてしまう。

つまり、これまでに述べた通り、人が集まらない店舗イメージになってしまう。実はこれが人手不足になる要因の一つだ。

通常営業に現在在籍している人に業務を割り振っていれば、土日などの繫忙期や早朝や深夜などの時間帯は人手不足になりやすいし、人の育成やフロアサービスなどの活動などもおぼつかない。さらに、売上獲得に必要なストアレベルマーケティングなどの集客活動も人手不足だと後回しにされてしまい、結果、注文したチラシを捌ききれず、期限切れの不良在庫を抱えてしまうことにもつながる。

このような事態を予防するために、売上獲得ができる業務量を見て必要な人員を割り当てていく、すなわち「業務に人を合わせる」という考え方が必然になる。

すなわち、通常営業の業務以外に売上獲得、利益の確保、お客様満足度の向上、人の育成のための活動を考慮して業務量を見積もり、いつ、どの時間帯に何をすることが必要なのかを明確にし、必要な人員数を見積もる。

その具体的方法は、各曜日別や時間帯別の売上や客数を獲得に必要な人員数、そして、オペレーションやマーケティング活動の遂行に必要な人員数を下図のような「モデルワークスケジュール」を作成して把握する。

そうすることで自店の弱みも強みも見えてくる。必要人員の確保によって弱みをカバーし、強みを伸ばすことができ人も売上も安定した店づくりを可能にする。

適正人員算出において、「在籍する人員に業務を割り振っていく」のではなく「業務量を見て必要な人員を割り当てていく」という考え方が重要で、人手不足や過剰人員の対策のために、この「モデルワークスケジュール」を作成し、適正人員について見直しをしてほしい。

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