【この記事の概要】
グローバルチェーンの成功の秘訣は商品やサービスの提供ではありませんでした。
今では当たり前のことも創業時は当たり前ではなく、すべては挑戦からはじまりました。また、ピープル・ビジネスは、人々の多様性を認め、多様性を活かし、組織をまとめてパフォーマンス向上させることで、働く人たちは、やる気に満ちあふれ、笑顔があり、生き生きしています。そして、それぞれが力を発揮できるよう、経営理念や経営目標達成のために支援し、働きやすい環境をつくることで国や地域、人種や文化に関係なく世界展開を可能にしている秘訣と言えるのです。
ピープル・ビジネス理論 0章 概論【目次】
1.ピープル・ビジネスとは
ピープル・ビジネスで働いている人たちは「なぜ、活き活きとしていて、スマイルがあるのか」
社員やパート・アルバイトなどの雇用形態に関係なく、思想や文化の異なる世界各国へ進出しているグローバルチェーンでは、商品の品質に加え、サービスやホスピタリティなどを高い水準で提供し、お客様満足度や従業員満足度を高い水準で実現しています。その源とは……
2.ピープル・ビジネスと呼ばれるワケ
1980年代、米国マクドナルド社の求人広告に見る『ピープル・ビジネス』
ピープル・ビジネスとは、人々の多様性を認め、多様性を活かし、組織をまとめてパフォーマンス向上させる店舗経営のことで、店という狭い空間で、性別、人種、年齢、宗教、経歴や価値観など、多様な要素を持つ人々が持つ違いや特性を理解し、受け入れ、それぞれが力を発揮できるように……
3.一見、複雑に見える事象のシンプルな捉え方
「森を見て、木を見て、その木の根見る」 ことで物事の根本を見ることができます。
どんなに複雑で難しく見える事象でも「ツール」「システム」と「考え方」に着眼することでシンプルに捉え、問題の本質が見えてきます。結果、本質改善もできるので問題に振り回させることが減り、生産性が向上します。これを仕組化したことで誰もが実践できて、戦力化することで世界展開を可能に……
4.偉大な先人の教えとピープル・ビジネス「問題は人で生じ、人で解決可能」
偉大な経営者の教えは、商売を通じて人間力探究の重要性を説いています。
偉大な経営者は、各時代によって表現は異なれ、経営を通じて、「生き方」「働き方」「人のあり方」「人間として何が正しいのか」「何のために働くのか」を説いています。つまり、「商売=人と人を繋ぐ」「商売を通じ正しい人格を形成する」ことで、店舗経営で直面する問題は人で生じ、人で解決が可能なこと……
5.ピープル・ビジネス理論の誕生と構築の背景「黒船来航とGNN」
米国式ドライで科学的な経営手法に、日本式GNN(義理、人情、浪花節)のウェットと緻密さが加わって体系化された商業経営
日本版ピープル・ビジネス誕生の背景には、商業経営の神様倉本長治主幹、経営の神様松下幸之助翁の系列電器店ネットワーク展開をはじめとして、稲盛和夫氏の京セラフィロソフィー、渥美俊一先生のチェーストア理論、倫理法人会等々をベースにした日本式経営であり理念や思想を採用している企業が多く……
6.泥臭い商売の原点と店舗経営の大原則「1円と信用の重み」
1円足りなければ、コンビニでジュースを買うことも、電車やバスに乗ることもできないのです。
ピープル・ビジネスは別名ペニービジネスとも呼ばれ、「1円をかき集める泥臭い商売」と呼んでいます。大切なことは、お金の使い方と獲得方法の難しさを学ぶことにあります。経営者はなぜ床に落ちているネジや原材料を見て「お金が落ちている」というのでしょうか……
7.昭和から慢性的に続く人不足。そして、将来不安へ
人不足は今に始まったことではなく、昭和から続いている。そして、将来不安へ。
戦後復興、高度経済成長やバブル景気。その後、バブル崩壊、リーマンショックや失われた30年などの景気低迷に加え、出生率低下や少子高齢過疎化の進行などから現在に至っています。人手不足は今に始まったことではなく、昭和後期から続いている経営課題の一つです。この慢性的な人手不足に加え、安定しない経済や可処分所得の減少などから将来不安へと……
8.人手不足の根本的原因と一番の不効率「仕事に興味が無くなり辞めてしまう」
教えれば出来る能力を持った人に仕事を教えない。いつまでも低いレベルの作業しか与えない…。その結果、仕事に興味が無くなり辞めてしまう。
2022年4月に経済産業省が取りまとめた「未来人材戦略」では「雇用の安定は自分の責任で」と国民に自主自立の警鐘を鳴らした形です。このような自主自立の考えは、小資本の店舗経営では、大企業のような待遇の整備などままならない現場やいつ閉店するかも分からないといった身におかれていることもあり、当たり前のことではあったものの……
9.有益人財の確保と定着の条件「非効率経営」悪循環からの脱却
部下は「上司や管理職の姿」をよく見ている。 若者はがダメな訳ではない。成長意欲もあり、認められ、評価してほしい気持ちは同じ
人手不足の主な原因は、早期離職(入社後、3ヶ月以内の早期退職が多い)、人が集まない(魅力の無い職場)、慣れた頃退職(有益人財の退職で他業界に流出)にあります。教えれば出来る能力を持った人に仕事を教えない。いつまでも低いレベルの作業しか与えない。結果「仕事に興味が無くなり辞めてしまう」のです……
10.業種別待遇格差と深刻な人不足
あなたが寝る間も惜しんで、手塩にかけて育てた人をなぜ他社に奪われてしまうのでしょうか。
高校生や大学生などの学生アルバイトを雇って、せっかく育成したのに、学校卒業で大企業に有益な人財を取られてしまうのでしょうか。大企業への就職理由のほとんどは「安定」と有益なな学生は言い、アルバイト卒業時に親御さんは「育ててくれてありがとうございました」と店舗に挨拶にくる……
11.「マニュアルと管理」至上主義による誤解と弊害
マニュアルや管理だけでは、売上利益の増大も、人の育成もできません。
マニュアルを作成すれば現場は良くなると考えて、マニュアルを作成し導入したのですが、現場の活性化どころか指示待ち現場を作ってしまった苦い経験。マニュアルやチェックリストだけでは人は育ちません。なぜなら、そこに書いてあることしかしなくなってしまうから……
12.会社が問題や不正に取り組む姿勢が従業員の質に繋がりなります「企業内警察官の存在」
従業員は問題が発生すると会社がどのように対応するかをよく見て、行動していますので、会社が問題や不正に取り組む姿勢が従業員の質に繋がりなります。
問題が発生すると解決のために規則やマニュアルで人をしばったり、管理を強化しても、問題は解決せずに逆に繰り返されることになります。なぜならば、人として正しい行動ができるように、経営者に代わって、スーバーバイザーが経営理念や経営方針の浸透と徹底度の現場検証とチェックをし、店と人とお金を守る……