【この記事の概要】
マニュアルや管理だけでは、売上利益の増大も、人の育成もできません。
マニュアルを作成すれば現場は良くなると考えて、マニュアルを作成し導入したのですが、現場の活性化どころか指示待ち現場を作ってしまった苦い経験。マニュアルやチェックリストだけでは人は育ちません。なぜなら、そこに書いてあることしかしなくなってしまうからです。マニュアルや規則で人の管理をしようとすると、従業員は「言った通り、指示した通りにしか動かない」ロボット化して、指示待ちの受け身になってしまいます。そのため、主体性は育たず、能力開発もできないため、全て指示がないと動かない状況に陥ってしまい、自分自身が忙しくなってしまいます。
マニュアルの本質と人財開発
店舗経営におけるマニュアルとは?トレーニングはするが仕事は教えない!?
店舗経営(ピープル・ビジネス)におけるマニュアルとは、一般的に解釈されている「○○しなければならない」「××してはいけない」「△△通りにする」などの手引書、作業指示書、経営論、あるべき論やべからず集とはまったく異なる。
さらに、企業の憲法的位置付けである経営理念、マニュアル、細かい規則やルールで人を管理しようとしているが、うまく機能していないケースを良く見かける。
店舗経営を経験してきた著者も現場時代、同様に考えていてマニュアルが無い店舗には、マニュアルを作成すれば現場は良くなると誤解していた。マニュアルを作成し導入したが、現場の活性化どころか指示待ち現場を作ってしまった苦い経験がある。
マニュアルとは上記の通り考えていたため、マニュアルや規則で人の管理をしようとしていた。そのためスタッフは「言った通り、指示した通りにしか動かない」ロボット化して、指示待ちの受け身になってしまった。マニュアルで各々の能力をマニュアルで押さえつけていたのである。
人の管理では受け身人間を育成し、主体性は育たず、能力開発もできないため、自分自身も逆に忙しくなってしまい、売上も利益も全て指示がないと動かない状況に陥って、人の能力の限界である天井を管理によって制限していたのだ。
マニュアル至上主義の誤解と現場で使われないワケ
マニュアルは新入社員の入社時や店舗経営の研修で最も使用されてマニュアル通りにするよう教わることが多い。その後、店舗に戻ってから、「マニュアル通りにやったら終わらない」。他のスッタフはマニュアルを守られいないことなどから、マニュアルと現場の不一致で混乱を招く場合もある。
店舗でマニュアルは事務所の書庫に鍵をつけて管理され、マニュアルを見かける機会もほとんど無く、使われない場合が多い。このようになぜ使用されず、本棚の飾り物になってしまうのか。
それは「マニュアルがあれば誰でもできる」と言う魔法の杖的なマニュアル至上主義による誤解が大きく、マニュアルが人を育てたり、店舗の管理をしてくれて売上や利益を増大させるものでもない。
一般的マニュアルには、現場で使用されないあるべき理論や経営理論が記されていることも多く、それを知っても現場でどう行動するのかまで明記がない。
さらに、現場は、次々と来店されるお客様の対応で精一杯で、オペレーション以外の経営知識は不要でもあり、本社本部が良かれと思って作成したマニュアルは、現場からすれば絵に描いた餅になっている。一方、オペレーションに必要な売場基準書、調理手順書やレシピ集の利用頻度はとても高い。
このように現場に必要な内容と人財開発の要素を取り入れたマニュアルと活用の機会を整備することが求められる。
トレーニングはするが教えない。それで人を育成する
マニュアルの活用とは
このように著者は現場時代、人の即戦力化とはマニュアル化とトレーニングで教えられことを徹底的に教えることだと思い込んでいた。しかし、寝ずにマニュアルを作成し、教えているにも関わらず、なかなか人は育たないし、自分の仕事をする時間にも影響が出て、疲れが溜まってきていた。