ピープル・ビジネス理論 3章 人財開発論『リクルートアクション・マニュアル』 1.イントロダクション

人材開発 マニュアル

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「もしあなたがパート・アルバイトなら、ここで働きたいと思うか?」 人の問題を根本解決しなければいつまで経っても、人手不足に悩まされることになる

1.人財開発システム ~募集準備から採用・不採用、勤務評価や定着促進まで~

「いったい何故なんだ!?募集をしてもしても人が集まらない…。採用してもすぐに辞められてしまう…。」

一生懸命に育ててほっとしたのも束の間「今ちょっとよろしいですか?」と退職の申し出…

このようなことは誰もが一度は体験したことがあるのではないだろうか。

ピープル・ビジネス(店舗経営)における根本は「人を採用し、育成して、辞めさせない」であり、これらを現場の責任のもとで繰り返すことによって、現場力と人間力を高めてピープルマネジメントの精度を向上させれば人の問題は自ずと減っていく。

例え、どんなに募集費用をかけたとしても、例え、現場が大変だからと本社本部が店舗に代わって募集採用活動をしたとしても、場当たり的対応に過ぎない。人手不足でも現場を回さなければならないため、そのプレッシャーとストレスから、いつしか人の扱いも雑になってしまい、結果、新たな退職を生んでしまうからだ。

PC、WEBやSNSなどの発展によって、人の募集・採用、教育や定着促進に関わることのシステム化が進み、一見便利になったようにも思えるが、逆に負担が増してしまっている。それは本質の理解に欠けた断片的なシステム化によって、機能不全から制度疲労に至っていることが多いからだ。

ここでいうシステム化とは機械化の意ではなく仕組化のことで、人の募集から定着促進までを一連の流れに基づいて、必要なアクションとツールを明確化したものだ。

人が集まらない。人が育たない。慣れた頃に辞められてしまうなどの人不足になる根本原因は現場であり、現場の責任で人の問題を解決しなければいつまで経っても、人手不足に悩まされることになる。

そこで「人を採用し、育成して、辞めさせない」ことを体系化した『人財開発サイクル*』と呼ぶシステムが昭和後期に開発され、現在まで構築され続けている。

このシステムは経営理念を中心にして、三要素で構成されて循環実施するもので誰でも以下項目の通り、実践しやすく工夫されている。

経営理念 人材

Ⅰ. リクール―トアクション(募集・採用)
Ⅱ. トレーニング(教育・訓練)
Ⅲ. リテンション(定着促進)

このサイクルの繰り返しによって、店舗人財の成長が促進され、従業員満足度やお客様満足度も向上し、結果、経営理念の実現から最終的に有益な人財が残っていくメカニズムである。

さらに、これを繰り返すことで、現場では『教える人』と『教わる人』のそれぞれの成長によって主体性が育まれ、本質究明による根本解決から仕事の精度も向上とともに現場力も人間力も向上していくため、必然的に問題のほとんどを占める人の問題は減っていく。

その結果、店舗運営は驚くほどスムーズになり安定経営が実現する。

そして、重要なのはこの『人財開発サイクル』を支える『ピープル・ビジネスの三大要素*』を正しく理解することにある。

ピープルビジネス 人材

① ツール(マニュアル・手順と基準)
② システム(運用・時間と生産性)
③ 考え方(WhyとHow)

この三要素で事象をシンプルに捉え、本質究明と改善をしやすくする。

例えば、スッタフが仕事に慣れた三ヶ月頃に辞めてしまった場合、その問題はツール、システムか考え方のどこにあるのかを探究し、根本を解決する。

よくありがちなことは、マニュアルというツールの改修はするが他はしないために一向に解決しないため、マニュアルばかりをいじること。

そもそもマニュアルを運用するシステムや人の考え方に問題が潜んでいることが多い。よって、何らかの問題が起こった際にはこれら三要素の機能を確認することが必須になる。

◆人財開発サイクル*とは 参照先:『店長マニュアル 5.業務知識 (5)労務管理』

◆ピープル・ビジネスの3大要素*とは 参照先:「ピープル・ビジネス理論 0章 概論 3.一見、複雑に見える事象のシンプルな捉え方」

2.人財開発サイクル

Ⅰ.リクール―トアクション「類は友を呼ぶ」

よく「うちの店には、いい人が集まらない」「うちの店では、人がすぐに辞める」などを耳にすることがある。他といったい何が違うのであろうか。

リクルートアクションと言うと募集、採用活動だけをイメージすることが多いが、それだけでは事足りず以下内容を網羅する必要がある。

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