繁盛立地の紐解き 9.「より多くの人にお客様になってもらう」ための立地改善と店舗集客

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【この記事の概要】
 「より多くの人にお客様になってもらう」ための立地改善と店舗集客の方法
 かと言って、あれもこれもやる集客では全てが中途半端になってしまい、結果が出なくて慌てることになりかねません。そのため、店舗集客活動の選択と集中から効果的な方法を実践することが必要になります。「あなたの店のお客様になる可能性がある人の集まる場所はどこか?」「お客様がどこに住んでいるのか?」「お客様はどこから来るのか?」などを知り、その特性に合った立地改善と店舗集客が求められます。今回は、商圏であなたの店に影響を与える重要なポイントを知り、その特性に合った効果的な集客方法や最も効果的でリスクを減らしたチラシの撒き方について解説します。

この記事の目次

「より多くの人にお客様になってもらう」ための商圏の攻め方 

店舗集客の要 – 店舗周辺の重要なポイントの活用

 「より多くの人にお客様になってもらう」ために必要なことは、店舗集客の要である「お客様になる可能性がある人の集まる場所はどこか?」を知ることが重要です。

つまり、商圏であなたの店に影響を与える重要なポイントを知り、じょうずに活用して、その特性に合った効果的な方法で集客を図ることが求められるのです。

この重要なポイントを知らずして集客活動をしても効果は限定的です。そのワケは以下の記事を参照してください。

集客 人の集まる場所 駅 池袋駅

(関連記事)集客の教科書「攻めの5段階集客術」 5.作戦2.キーアクセスポイントを攻める この記事は、自店舗だけでの集客力には限界があるため、商圏内と自店舗周辺の人の動きを把握して、商圏の集客力や人の集まる要所を活かして効果的に集客することの必要性について解説します。

そこで今回は、店舗周辺の重要なポイントを活用した集客活動の方法と最も効果的でリスクを減らしたチラシの撒き方について解説しましょう。 

重要な集客ポイント「IC」とは何か

 まずは、商圏であなたの店に影響を与える重要な集客ポイントである「IC」について正しく把握をしましょう。そもそも、「IC」とは何でしょうか。

「IC」とは、「Information Center」の略称で、「情報発信源」という意味があり、具体的には周辺の人々がいろいろな情報交換をするような場所や施設を指します。もし、より多くの人にお客様になってもうというならばこのICを商圏内に見つけ、ここに、店の存在を知らせるような工夫が必要です。

たとえば、公民館や市民会館などのような無料・格安で使える地域のコミュニケーションの場となっているようなものです。

あるいは、スーパーマーケットや整体・接骨院、クリニック、美容院のような商業施設もこれらに当てはまります。

もちろん、PTAなど積極的なコミュニケーションが図られている幼稚園・小学校などもそうです(図7)。

ICとは「Information Center」の略称 「情報発信源」という意味 具体的には、公民館、自治会館、スーパーマーケットなどの商業施設、整骨院、クリニック、美容院、小学校、幼稚園や教会などで、周辺の人々が情報交換をする場所
図7 「IC」とは

「IC」を活用して効果的な店舗集客を実現する

 あなたの店の周辺に、こうしたIC(情報発信源)が店に来店できる範囲(5分以内)にあるならばしめたものです。必ずアプローチしましょう。

IC(情報発信源)への具体的なアプローチ方法は、次の通りです。

・これらから店までの行き方を明確にした上で、張り紙やポスターを置かせてもらう。
・その近くに野立看板を敷設する。
・小型の看板シートを民家の塀に貼らせてもらう。
など

このようなアプローチによって、IC(情報発信源)に来る人々を伝わって、より多くの人々に店の存在を知ってもらうことができます。

「より多くの人にお客様になってもらう」ための集客方法

もっと多くの人に店の存在を知ってもらうための方法

 また、看板に頼らない方法もあります。それは、一軒一軒の家庭にチラシを配布するというやり方です。とはいえ、これもどこでもいいから撒けば良いというものではありません。

 事前に、チラシを撒いて大きな効果が出そうな地域を知っておくことが必要です。

 そのためには、今現在のお客様がどこから来ているかを調べておくことです。これをしっかり調査するには、「お客様アンケート調査」や「商圏調査」などの調査が必要でそれなりの手間も費用もかかります。

また、調査結果を分析して、必要なアクションを起こすまでなかなかできないこともよくありますので、ここでは、簡易調査の方法と必要なアクションを紹介しましょう。

簡易調査の実施「今現在のお客様がどこから来ているか」を知る

 もっとも簡易な調査で費用もほとんどかからなず、調査に苦手意識がある方にもおすすめの方法があります。

その具体的な手順は以下の通りで、最終的に「顧客分布図(図8)」が完成します。

1. 店舗を中心とした地図とドットシールを準備します。
2. 地図は、店舗を中心として、○丁目(町丁目)単位で区切り線を引きます。
3. その作成した地図を店内のお客様からわかりやすいところに貼ります。
4. その地図上に、お客様が「どの地域から来店された」かをドットシールを貼ってもらいましょう(図8)。
◆ちなみに、ドットシールの大きさは、やや大きめのものが良いでしょう。大きめであれば、そのシールを貼って自分の家の住所が他人に分かってしまうことがないという安心感が生まれるからです
◆だいたい300人分のシールが集まれば上出来です。

今回は、商圏が住宅街のため「お客様がどこに住んでいるのか?」を把握しましたが、商圏がオフィス街の場合、来店前の場所「お客様はどこから来るのか?」の把握が必須になりますのでご注意ください。詳細は別の機会に解説したいと思います。

お客様が「どの地域から来店された」を把握する簡易的な調査方法 商圏地図とドットシール法 簡易的な商圏調査 簡易的アンケート調査
図8 顧客分布図(簡易調査版)

顧客分布図の活かし方「顧客分布図からもっとも効果が現れそうな地域を見つける」

 このように調査から得た情報の分析と活用がとても重要なのことは、皆さんもよくお分かりのことと思います。

しかしながら、調査や分析で”いっぱいいっぱい”になってしまって集客アクション実施まで活かされなことがよくあります。 

あなたは、図8の顧客分布図を見て、どの地域に、どんな集客チラシを配布しようとと考えましたか。

そこで、ここでは顧客分布図の活かし方を説明しましょう。

(1)まず重要なことは、集客の重要度、優先度順に地域を4つに分類する

顧客分布図からもっとも効果が現れそうな地域を見つける 縦軸にお客様数、横軸に住民数を表したマトリクス図 「たくさんの人々が住んでいるが、お客様が少ない地域」
図9 顧客分布図からもっとも効果が現れそうな地域を見つける

この図9は、縦軸にお客様数、横軸に住民数を表した図(マトリクス図)で、各象限の要素は次のとおりです。

地域A:たくさんの人々が住んでいて、お客さまも多い地域
地域B:住民はそれほど多くないが、お客さまは多い地域
地域C:たくさんの人々が住んでいるが、お客さまが少ない地域
地域D:住民はさほど多くはなく、お客様も少ない地域

(詳細)マトリクスとは:matrix(英)語意は母体、基盤、原盤、鋳型。縦軸・横軸の二次元で構成された図表(チャート)のことで数学的には「行列」という意味で「4象限マトリクス」とも言います。マトリクス図は、2つの軸を持つ表で、横軸と縦軸の二次元で、軸の反対同士が「多い・少ない」など「対極」で構成されます。中心を「十字」に区切り、4つのエリアに分けた領域で評価や分析を行う手法。

(2)次に重要なことは、もっとも効果が現れそうな地域を見つける

 この要素から、もっとも効果が現れそうな地域は「たくさんの人々が住んでいるが、お客様が少ない地域(C)」です。

ただし、そのような地域でも、店まで来店可能であることが前提です。途中で道が切れている、丘を越えなければならない、途中に同業店がある。そういったことがないかどうか、調べておく必要がありますね。

チラシを撒くと言っても、コストと労力がかかることです。チラシのデザイン作成代、印刷代、そして配布料金です。千枚撒くのだったら数万円で済むかもしれませんが、一万枚撒くということになればそれでは収まりません。

最も効果的でリスクを減らしたチラシの撒き方


 こうしたコスト面でのリスクを減らしたいなら、小規模な実験をやってみることをお勧めします。それは、店長名と地図を小さなショップカードを作り、自分で数百枚配ってみることです。一軒一軒のお家を訪問し、丁寧に挨拶して回ることです。

できますか?
できますね。

こうやって店長の顔を覚えてもらう、見てもらうことは、実はお店の存在を知ってもらう一番効果的なやり方です。

ぜひ一度、このショップカード配りを試してみることをお勧めします。これも立派な立地改善、マーケティングです。

そして、できるならばショップカードにドリンクやサイドメニューなどの無料券を配ることでさらに、効果が期待できます。

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(関連記事)集客の教科書「攻めの5段階集客術」 6.作戦3.店舗近隣を攻める この記事は、店舗経営においてお客様との普段の接点は店舗内での接客や販売時に限られているためターゲットのもとにスッタフが足を運びコミュニケーションを図り、集客に繋げることの重要性について解説します。

筆者が店長時代に実践し、これまで立地改善の支援先でも実践し、効果があった方法ですので、是非、チャレンジしてみてください!

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