ディズニー流経営の極意 (第2回)ゲスト満足と売上達成を両立!ディズニー魔術商法の本質

花火 海

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2万人もの集団がベクトルを合わせ、お客様満足を高め、業績を上げる礎

2万人もの集団がベクトルを合わせ、お客様満足を高め、業績を上げる礎

従業員を虜にさせ、究極のお客様満足を提供するディズニーの経営理念

オリエンタルグループホームページにはパーク運営の基本理念として、ディズニーテーマパークにおけるコンセプトやパーク運営の基本的な考え方が公開されています。

ファミリー・エンターテイメント

世代を超え、国境を超え、あらゆる人々が共通の体験を通してともに笑い、驚き、発見し、そして楽しむことのできる世界。

「私はディズニーランドが、幸福を感じてもらえる場所、大人も子供も、ともに生命の驚異や冒険を体験し、楽しい思い出を作ってもらえるような場所であってほしいと願っています。」というウォルト・ディズニーの言葉に基づいて、あらゆる世代の人々が一緒になって楽しむことができる“ファミリー・エンターテイメント”を実現したいがディズニーテーマパークの基本コンセプトとなっています。

テーマショー

ディズニーの世界を演出するために、園内の建物から音楽にいたるまで、あらゆるものがテーマを持って設計され、非日常的な空間を創りだしています。

東京ディズニーランドや東京ディズニーシーは、訪れたゲストに様々な体験を提供するための「青空を背景とした巨大なステージ」であり、パーク内のあらゆるものがテーマショーという観点から考えられ、構成されています。

パーク運営の4つの鍵「SCSE」

”SCSE”の優先順位を守り行動することによって、ゲストにハピネス(幸福感)を提供することができます。

優先順位1. Safety(安全性)

ゲストにとって安全な場所、安らぎを感じる空間を作りだすのはキャストの役目(仕事)です。さらにそのゲストの安全を守るキャストの安全も大切です。この安全性は何よりもまして優先する事項です。

優先順位2. Courtesy(礼儀正しさ・親しみやすさ)

相手の立場にたった、親しみやすいおもてなしのことを言います。あらゆる年代、様々な国籍の“すべてのゲストがVIP”であり、心を込めておもてなしをしています。

優先順位3. Show(ショー)

パーク内のあらゆるものが、テーマショーという観点から考えられ、構成されており、もちろん東京ディズニーリゾートで働くキャストもショーの一部です。期待を持って東京ディズニーリゾートを訪れるゲストのために、「ショーは毎日が初演」の気持ちを忘れずに、ショーを演じています。

優先順位4. Efficiency(効率)

効率は大切ですが、安全性や礼儀正しさ、ショーを無視して効率を優先しても、ゲストにハピネスを提供することはできません。安全性、礼儀正しさ、ショーを心掛け、チームワークを発揮することで、効率を高めます。

具体例をあげますと、2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災時、キャストが真っ先に取った行動はゲストの安全です。そのお陰でゲストはパニックになることなく二次災害を予防しました。一見、当たり前のことに感じますが、非常時に冷静沈着な対応は、普段から教育とシミュレーションをしていないと、簡単にできることではないのです。

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