ディズニー流経営の極意 (第4回)入社初日に「一瞬で虜にさせる」ディズニーからの贈り物Ⅱ 『ディズニー・マジック』

ディズニー 経営戦略論

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いい組織も風土も映画と一緒で「意図して創らなければ創れない」 「マニュアルで決めるのではなく、ディズニーの世界観を壊さないように人が判断し、決断できる」人を育成する『ディズニーマジック』

ウォルト・ディズニーは「どんな想いでディズニーランドを創業」したのか。その想いを「現場で見て、確認し、承継する」 2万人の心の支え『ディズニー・フィロソフィー』承継の仕方

入社初日のオリエンテーションで最初に教わる「ディズニーの世界観を壊さないようにする」こと

ディズニー入社初日に、オリエンテーションという導入教育で創業者ウォルト・ディズニが「どのような想いでディズニーランドを作ったのか」を一番最初に触れることになります。

この創業者ディズニーの想いを伝えてくれるのは、なんと先輩アルバイトなんです。しかも同じエピソードを交えて話し、伝えてくれるんです。

だからこそ、パークで働く従業員全員が同じエピソードで語れると言うことで、言い換えれば2万人の従業員全員の心の中に創業者であるウォルトディズニーが居ると言えるんです。

このオリエンテーションで最初の最初に教わるのが『ディズニー・フィロソフィ』と言って、直訳すると『ディズニーの哲学』です。

創業者のウォルトディズニーがどこで生まれ育ち、どんな想いでディズニーランドを創業したのかの『創業者の想い』をパネルを使って先輩アルバイトのトレーナーがお話をしてくれます。TV番組で言う『知ってるつもり*』のような感じですね(笑)

この研修プログラムやパーク内のオペレーションやマネジメントからも『ディズニー・フィロソフィ』は宿っていて、「ウォルト・ディズニーの想いが僕ら従業員の心の中にウォルトを宿すように意図してデザインされていたんだなぁ」と後になって認識できました。

知ってるつもり?!*:日本テレビ系列局で1989年10月8日から2002年3月24日までに放送されていた人物系ドキュメンタリー教養番組

 全従業員に『ディズニー・フィロソフィ』が本当に宿っているのか?

ここで面白いエピソードを紹介しましょう。

東京ディズニーランドはディズニー社の直営ではありません。パークを運営するオリエンタルランド社が運営を行う言うなればフランチャイズですね。

ですからここで働く従業員は全員がオリエンタルランドの社員やアルバイトです。オリエンタルランド社にも立派な経営理念や創業の想いなどもあると思うんですが……。

実はそれらは僕の時代は責任者になって初めて教わることになるんです。

なので皆さんがパークに遊びに行って、そこで出会う従業員(キャスト)に

「お兄さん(お姉さん)は、ここのオリエンタルランドの従業員だよね。オリエンタルランドの経営理念って何?」

って聞いてみてください。

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