労務管理入門「人で失敗し、人で成功する実務」 (第2回)現状把握と労働環境整備

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素人をプロに育成!「指示待ち人間の育成ではなく、主体的に動き結果を出す人財を育成する」労務管理と現状の違い

店舗経営における労務管理

一般的な解釈と経営の実態

労務管理とは一体なにを指すのだろうか?一般的には、従業員の勤怠管理(勤務時間管理やシフト管理、休日や年次有給休暇を含む休暇の管理等)、給与計算(残業代の計算等)、採用や退職に伴う法的な手続きを指すことが多いであろう。労務管理に似ている用語に、人事管理があるが、こちらは採用から退職にかかる人事考課や異動・配置転換などを指すことが多い。ただし、いずれにしても明確な定義があるものではない。

店舗ビジネスを営んでいる経営者と従業員に関する打ち合わせを行っていると、人事管理に関するテーマが多く、労務管理については意識・無意識を問わず、問題意識を避けている経営者が多いように感じる。抽象的な表現で分かり難ければ、具体的には店舗の業績を上げるために人事考課をいじりたがる経営者は多く、そのほとんどが成果主義を指向している。一方で、勤務時間管理や残業代の支払い、年次有給休暇の取得状況に関するテーマに対しては、あからさまに「うんざりとした表情」で嫌がる経営者は驚くほど多い。

こうなる理由はどうしてだろうか。それは、人事管理は経営者の『裁量の範囲が大きく』、労務管理は法令で定められているものが多いことから経営者の『裁量の範囲が小さい』ことが影響しているのだと考えられる。

加えて、労務管理とされる分野の法令で定められているものには、経営者として不満を持ってしまいがちな制度が多い。例えば、最低賃金制度は、全く仕事を覚えていない入社したてのP/Aに対しても最低賃金を下回ってはならず、割増賃金制度は、作業効率が低いP/Aに対してより多くの賃金を支払わねばならないことが挙げられる。

それでは、労務管理は軽んじて人事管理に注力した方がよいのであろうか。はたまた、労務管理と人事管理は別物なのであろうか。この点を店舗ビジネスに絡めて解説を続けたい。

従業員が働く動機と労務管理の必要性

ピープル・ビジネスにおける労務管理とは

労務管理とは一般的には従業員の勤怠管理(勤務時間管理やシフト管理、休日や年次有給休暇を含む休暇の管理等)、給与計算(残業代の計算等)、採用や退職に伴う法的な手続きを指すことが多い。

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