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【この記事の概要】
「業績が悪くなると、立地の改善や営業力を見直すというような基本をすっ飛ばし、閉店、コスト削減に向かっていませんか?」
今まで「売れない店の商圏は小さい、売れている店の商圏が大きい」とされていた常識は実は誤りだったのです。この事実から導かれた店長が実践できる4つの立地改善と商圏の黄金ルールを店長が平然と率先し、泥臭いことの実践による立地改善で、お客様を増やし売上げ上げるで劇的な効果に繋げるためにチャレンジしましょう。
立地改善 その二、TGと動線の対策
もちろん、鉄道駅やスーパーマーケットなどの商業施設(TG*:ティージー:交通発生源)が店のそばにあったり、そしてそれらから見える位置に店があったりすることがベストですし、それが立地の定石に違いありません。
◆TG*とは:詳細は本連載「(第1回)立地で最も大事なTGを無視したら失敗する」をご覧ください。
しかし、すべての立地がそうとは限りませんし、たいていはそういった目に見えるTGがそばにないことが多い。あなたの店の立地はどうか。仮に有力なTGがなかったりしても諦めるのは早いのです。
それは、あなたの店がどこにあるか、TGからでもわかるようにすることができるからです。
そして、動線、つまり、TGとTGを結ぶ動線を歩く人々からわかるようにすることもできるからです。
駅から離れていて、駅からぜんぜん見えなかったりすると、店がどこにあるかまったくわからない。
だから、あきらめる。何もしない。たいていの人はこう考えます。
しかし、ほんとうにそうでしょうか?駅に行ってください。そこには多くの店主たちの努力をたくさん見ることができるはずです。大きな看板、小さな看板はもとより、ポスターを掲出したりして、有料・無料の多くの工夫あとがあります。「うちには予算がないからこんなのは無理だ」と考えてしまうより、そこで何をすれば良いかを考えることです。そして、できることをやれば良いのです。
これは駅以外の他のTGについても言えることです。
スーパーマーケットはどうでしょう?人々が集まる交差点や路地、角地はどうでしょうか?図1は商店街の路地に置かれたさまざまな看板です。
道路があって、選挙ポスターが貼ってあったら、それこそそこは狙い目なのです。自動販売機があったらそこも狙い目。
そすした、ちょっとした場所に、チラシを配ったり、小さな看板を設置したりして、自店がどこにあるかをわかるようにすれば良いのです。
こうした小さな努力の積み重ねで、人々に少しずつ認知が浸透していくものです。
費用対効果を考えて、きれいごとよりも泥臭いことを率先垂範することの重要性
こうした活動はややコストがかかる割に効果は低いものです。
もし、劇的な効果を望むのであれば、店への案内図を描いた看板を持って、TGの前に立つのです。いわゆるサンドイッチマンです。
これは筆者が店長時代に実践して結果につなげ、実践検証を今日まで続けた結果です。
このような活動はじゅうぶん立地改善につながり、お客様を増やし売上げ上げる活動です。決して馬鹿にしてはいけません。
店を開業したけれど、一度もこうした活動をやったことがない人はよほど良い人か、店舗経営に向いていない人です。泥臭いことでも平然と率先してできなければ店長は務まりません。
立地改善 その三、商圏へのアプローチ
お店の周り、お客様が一定の割合以上に来店してくれている範囲を“商圏”と呼びます(この割合は、世帯数、または人口の5%です)。
この商圏についての黄金ルールが3つあります(図1)。