佐藤勝人の実践的リーダーシップ論 14.部下がついてくるリーダーシップ|信頼と成果を生むリーダーの条件/信頼を失うリーダーの特徴

佐藤勝人 実践的リーダーシップ コミュニケーション サトカメ 勝人塾 商業経営コンサルタント 部下がついてくるリーダーシップ|信頼と成果を生むリーダーの条件。リーダーに必要な能力、人間性、一貫性。部下は上司のことをよく見ている。

【この記事で分かること】
 「パワハラと言われたくない…」。正直、余計なことはしたくない。
 求められるリーダーシップは、もはやトップダウン型ではありません。この記事では、少数精鋭チームを成功に導く「能力」「人間性」「一貫性」という3つの重要要素を徹底解説。部下はリーダーの言動を注視し、それによって信頼や行動を変えます。あなたの言動こそが、部下の潜在能力を引き出し、チームを強くする鍵です。今すぐ実践できるヒントで、店舗の成長と従業員満足度向上を実現しましょう。

この記事の目次

現代のリーダーの条件

 店舗経営や中小企業における今の時代に合ったリーダーシップの在り方を深掘りしてきた第6回から13回までの『令和時代のリーダーシップ』シリーズも、ついに最終回だ。

そこで今回は、これまでの内容の総まとめをしてみよう。といっても、「第6回はこの話だった、第7回はこうだった」と機械的に並べた振り返りはしない。

私らしくフリートークで、せっかくだから読者の皆さんも巻き込んで語ってみたい。それでも充分、ここまで読んできてくれた皆さんならわかってくれると思うからね。

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「パワハラと言われたくない…」。正直、余計なことはしたくない

 まず最初に、皆さんの本音を予想してみようか(笑)。

「リーダーシップを発揮すると言っても、今は一歩間違うとすぐパワハラだモラハラだ、セクハラだ何だって言われるから、正直もう余計なことはしたくないよ」

――どうです? そういう気持ちじゃないですか?

わかります。すごーくよくわかります。実際、私が勉強した限りでは、メンバーが10人を超えたら仕組みとかシステムとかで動かしたほうが諸々上手くいくんだってね。専門家の研究でそう結論が出てるそうだ。

でも、その研究でもやっぱり、チームが10人以下の少数ならば、仕組みやシステムに任せっきりにせずリーダーが積極的にリーダーシップを発揮したほうがいいらしい。そのほうがチームが上手く回るらしい。

少ない人数のチームでリーダーシップを発揮するには、個人個人との対話がやっぱり必要だ。「困ってることないか?」とか話しかけなきゃいけない。「うちの奥さんが…」みたいな話が始まったら付き合わなきゃいけない(笑)。それをして初めて、いざという場面でついてきてくれる。

部下が皆さんについていこうと思うのは、皆さんが「能力、人間性、一貫性」を完備したときだ。昔は能力か人間性のどっちかが飛び抜けていればそれでよかったが、今はどれか一つでも欠けていたら駄目。厳しいけど、それが現実だ。

では、この現代のリーダーに必要な「能力、人間性、一貫性」について、解説しよう。

現代のリーダーに必要な「能力」「人間性」「一貫性」

1. リーダーの能力

 リーダーの能力とは、ざっくり言うと、意思決定力、実行力(決めたことは絶対やる)、コミュニケーション力の三つだ。

■現代のリーダーに必要な条件

   1. 意思決定力
   2. 実行力(決めたことは絶対やる=約束を守る)
   3. コミュニケーション力

2. リーダーの人間性

 一般レベルの倫理観を備えていることと、やっぱり愛情が大事だと思う。「俺のことを見てくれてる。ちゃんと考えてくれてる」と部下が感じるくらい、愛情を注いでいるかどうか。

端々でちょっとした配慮ができれば尚良い。休憩中に自販機で飲み物を買う時にお金を多めに入れて、「何がいい?」とさりげなく聞くとかね。

そんな子供だまし…と思うだろうけど、体は正直だから。「疲れてヘトヘトの時に上司に貰った缶コーヒー」の力は馬鹿にできない。

■現代のリーダーに必要な人間性

  ・一般レベルの倫理観(道徳観や善悪判断の共通認識)
  ・愛情がある(相手に関心を示し、一人の人として認めて大切に接している)

3. リーダーの一貫性

 一貫性には、時間的なものと関係性をめぐるもの、状況をめぐるものの三つがある。

出来事の前後で態度や主張が変わらないことが『時間的な一貫性』だ。上にはへこへこするけど下には偉そう、なんていうことがないのが『関係性の一貫性』。そして最後に、態度や判断が状況によってブレないのが『状況的な一貫性』の三種類だ。

■現代のリーダーに必要な一貫性

  ・時間的な一貫性
  ・関係性の一貫性
  ・状況的な一貫性

信頼を築くのは時間がかかるが、失うのは一瞬|信頼を失うリーダーの特徴

「○○さんのこと信頼してたのに、何だあれ」と一度思われてしまったら、部下の信頼を取り戻すのは容易なことじゃない。

具体的に、リーダーのどのような行動が部下の信頼を一瞬で失わせているのか、皆さんは知ってるであろうか。

具体的に、リーダーのどのような行動が部下の信頼を失わせるのか、皆さんは知っているであろうか。

意外と自分では分からないこともあるかもしれないが、次のような行動は、部下からの信頼を大きく損ねるだけでなく、人間関係を悪化させる可能性があるので注意が必要だ。

■信頼を失うリーダーの特徴

約束を曖昧にする/守らない: 具体的な期限や内容を定めず、曖昧な指示を与えたり、約束したことを守らなかったりすると、部下は上司の言葉を信用しなくなります。

感情的な対応: 感情的に怒ったり、不当に叱責したりする行為は、部下を委縮させ、心理的な距離を生み出します。

コミュニケーション不足/下手: 部下の意見を聞かず、一方的に指示を下したり、適切なフィードバックを行わないことは、部下のモチベーションを低下させ、不信感につながります。

一貫性のない指示: 毎回言うことが異なり、指示がコロコロ変わる上司は、部下にとって予測不能であり、仕事の進め方に混乱を招き、ミスや失敗が発生する原因となります。

自己中心的な行動: 自分の利益ばかりを考え、部下のことを無視する行動は、部下に「利用されている」という不満を抱かせます。

責任の所在が不明確: 部下の失敗に対して責任を取ろうとせず、責任を逃れる態度は、リーダーとしての器を疑わせる結果になります。

こっちの想像以上に、彼らは皆さんの言動をよく見ていると思ったほうがいい。

勘違いしちゃいけないのは、上司が部下を見ているのではなく、部下が上司を見ているということ。昔はあり得なかったけど、今はそうなんだ。

このような行動は、部下との信頼関係を根底から揺るがしかねない。

とは言っても、完璧な人間などいない。

だからこそ、リーダーは常に自身の言動に注意を払い、部下からの信頼を得るために学び、努力を重ね、自己成長し続けることが重要なんだ。

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