ピープル・ビジネス理論 8章 人事評価 8.人事評価とは、上司と部下が共に成長していく機会

ピープル・ビジネス理論 人事評価

本連載記事【目次】 前の記事 次の記事

【この記事の概要】
 「根を養えば樹は自ら育つ」
人事評価制度の定義と考え方。他責ではなく、主体的を引き出す経営環境を実現するために、一人ひとりが自主的に能力を伸ばし、発揮できるチャンスと自己成長を促す機会である人事評価制度 

人事評価制度の定義

共に成長していく機会

人の評価をする為には、評価者(上司)は被評価者(部下)の結果だけでなく、達成プロセスである普段の仕事ぶりをよく把握しておくことが必要である。そうしないと「見てもいないのに、何がわかるのか」と不信感を抱くことになり、人事評価制度そのものが機能しなくなる。

つまり、評価者(上司)は被評価者(部下)の勤務状況や仕事ぶりなどの事実を普段から把握しておくのだ。評価面談前に確認や準備をするといったケースをよく見受けるが、それは人事評価制度の目的や定義を把握しておらず、部下の評価をすることが目的になっている。

そこで先ずは、人事評価制度とは何かを明確にしたい。

店舗経営(ピープル・ビジネス)における店舗人事評価制度は、Equal Opportunity(公平な機会)と Equal Treatment(公平な待遇)を与えることで調和のとれた人事システムの開発と構築が可能となり、

1)末永く全力を挙げて取り組んで行こうという気持ちが出せる仕組み

2)一人ひとりが能力を伸ばし、発揮できるチャンスを与える

ことから会社、上司や部下がベクトルを合わられるように導いて、ともに成長していく機会を人事評価制度と定義する。

他責ではなく、主体的を引き出す経営環境に

よって、部下の目標未達やが育たないのは上司の問題と認識することが必要で、上司は部下に手本を示してリードし、できない人をできるようにするトレーニングとや成長の動機づけをすることが上司の役割でその機会が人事評価になる。

仮に部下の資質が問題だとすれば、それは採用基準に原因がある。バブルが崩壊しローコストオペレーションを各社は採用していった。店舗の生産性向上や合理化という大義名分のもと、本部本社は過保護になり過ぎてしまい店舗に必要な業務を取り上げてしまった。

本来ならば、自店舗の人員確保、育成や評価(定着促進)は店長や直属の上司であるSV(スーパーバイザー)責任のもとで遂行されるべき職務なのにも関わらず、採用は本部、育成や評価は店舗としてしまった。

結果、店舗では「本部が良い人を採用してくれない」、本部では「採用しても、すぐに辞めさせてしまう」と双方で責任のなすり合いが始まってしまったのだ。自分で責任をもって採用した人なら、必死に育成するを思うわけで、「自分は採用していない」「辞めてしまったらまた、本部で採用してもらえばいい」と他責環境をつくらないことも重要なのだ。

店舗経営では、できない部下が悪いのではなく、会社の求める基準まで部下を引き上げられないことが問題で、人は機会、時間や教育を与えて任せれば、自ら考えて対応して乗り越え成長していくのだが、管理職の上司は部下の管理が仕事と思って指示や命令、一方的な評価を与える傾向がある。

であるからこそ、店舗経営おける人員確保、育成や評価(定着促進)までの一貫した業務は、店長や直属上司のSVの責任のもとで遂行が必要で、それによって主体的な人財開発が実現可能になる。これがピープル・ビジネスの原理原則である。人事評価制度とは、その職務の一つで、評価とは人を承認すること。未達項目は改善目標とすることで目標思考となって能力を伸ばすこととが可能になる。

この人事評価制度に要求される要素「基準の設定」

会社の求める店舗経営の基準や職務要件を明記することで、スタッフ(社員やパートアルバイト(P/A))に行動要件を明確にすることで、店舗は会社から求められる職務をキャリアパスプラン(職能階級賃金制度)で明示することで自身のレベルを自身で把握できる。

自分は何ができていて、あと何ができるようになれば、評価され、待遇などに反映されると分かれば主体的になる。人はミスや失敗の指摘を嫌う傾向にあるので、自ら気付くようにするシステムがキャリアパスプランで、その機会が人事評価になる。この繰り返から結果を生み出し成長につながる。

シェアお願いします
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
この記事の目次