【この記事の概要】
「与えられた仕事は、会社の業務全体の一部分。全体を理解した上で自身の役割をまっとうすることが必要です」
中小企業では人員に限りがあるため、なかなかジョブローテーションができず、経理、人事、総務や店長などの一部署を一部の人が長年経験したスペシャリストに頼りがちですが、その人が会社の基準となり、組織風土となり、組織の歪みの一因になっていませんか。自分の仕事において、自分の部署だけを見ていると近視眼的になるものです。自分の仕事は全て、他の部署、他の階層の人たちとの関わりの中で存在していますので、他の人達の役割を知りながら、調和出来るよう、自分の仕事を行うことが必要です。
連載にあたり
経営者はもちろん、役員や社員の皆さんに是非、読んでいただきたい内容です
公認会計士、税理士、中小企業診断士、監査のプロで株式上場のエキスパートで稲盛和夫さんの経営塾「盛和塾」や「倫理経営」、「アドラー心理学」や「脳科学」などを徹底研究してきた筆者が各企業の本社本部や店舗の監査を通じて、把握してきた経営者の想いと現場の実態から、会社と人のあるべきを探究しまとめ上げました。
多くの企業に見受けられる事例では、自分の仕事において、自分の部署だけを見ていると近視眼的になるものです。
自分の仕事は全て、他の部署、他の階層の人たちとの関わりの中で存在していますので、他の人達の役割を知りながら、調和出来るよう、自分の仕事を行うことが必要です。
本連載から経営改善のヒントを見いだしていただければ幸いです。
与えられた仕事は、会社の業務全体の一部分。全体を理解した上で自身の役割をまっとうする
部分と全体の関係は同じ構造になっています。部分の中に全体があり各部分はバラバラではなく全体と同じ構造で部分が出来ているのです
つまり、部分に与えられた仕事はそれだけでは理解不能で全体を理解してその中での部分を演じなければうまくいきません。
部分と全体の関係を言うと、部分は全体の一つの構成要素で、部分だけで意味を持つ、と思っていたとしたら間違いです。
全体の構造と同じものを、部分の中にも持っているものなのです。
そういう構造になっていて、その状態を意識しない限り、部分をきちんと演ぜられません。
実は有機体の構造も、全て同じ状態になっています。
その構造を理解していないと、ともすると自分の事だけを考えてしまい、うまくいかないものです。
同じような構造で存在しなければ上手く機能しない
人間の細胞の働きは、会社の中での社員一人一人の働きや役割と、実は同じ仕組みなのです
人間の細胞は各細胞が全体の遺伝子を持ち、どの細胞にも成れる構造になっており、新陳代謝で発生したときに、どの働きをするかは周りの細胞の指示により発生した部分の働きをする遺伝子が機能し出すのです。会社もそれと同じです。
「お前はこういう働きしなきゃいけないぞ」と周りの人に教えてもらい、「あ~、そうか」と言って、自分のやるべき事に対しての遺伝子にスイッチが入る、ということです。
60兆個の細胞は、どの細胞にもなり得ます。
しかし、その中で自分の働き、役割を持って働いていることが、人間の精妙な働きなのです。
そのような人間の細胞の働きは、会社の中での社員一人一人の働きや役割と、実は同じ仕組みなのです。
つまり、同じような構造で存在しなければ上手く機能しない、ということです。
会社全体の各部門の仕事を知るとともに、各階層の役割も知る必要がある
自分の仕事は全て、他の部署、他の階層の人たちとの関わりの中で存在しています
つまり、詳しく知る必要はありませんが会社全体の各部門の仕事を知るとともに、各階層の役割も知る必要があるのです。