ディズニー流経営の極意 (第6回)機械化してもいいこと。人間がすべきこと。 「ゲストへの挨拶が掛け声で良ければロボットでもいいのだから…」

経営戦略 機械化

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「ゲストへの挨拶が掛け声で良ければロボットでもいいのだから…」 ディズニーが大切にしている「心のこもったおもてなし」について手間と時間をかけて一緒に考えるからこそ「人の心を動かすことができる人の育成」ができるんです

あえて機械化せず、ディズニーが大切にしている「心のこもったおもてなし」ができる人の育成機会を提供する

どのようにして「心のこもったおもてなし」が自然体でできる人を育成するのか

そしてもう一つ特徴的な教え方ですが、全てにおいて「なぜそうするのかを考えさせるようなトレーニング」を行います。

例えば、チケットポジションでの挨拶について、

『マニュアルではお客様が来たらディズニースマイルでお迎えし「こんにちは!!」と元気な挨拶をします』

と書かれているのですが、この通りに教えてしまうと「なぜが分かっていないまま」現場に出てしまって、挨拶してしまうので、ディズニーが大切にしている「心のこもったおもてなし」にはならなくなってしまうのです。

そこで先輩トレーナーはこんな風に新人スタッフに質問します。

「それではチケットポジション。ここはアトラクションの入り口でお客様のことをお迎えするポジションだからね。最幸の笑顔で気持ちを込めて「こんにちは」って挨拶をするんだけど、なぜ「こんにちは」って言うと思う?」

ここで新人スタッフは改めてなぜ「こんにちは」なのかを考えるんです。

ゲストに「いらっしゃいませ」ではなく「こんにちは」と挨拶するワケ

「サービス業だから“いらっしゃいませ”でもいいよねでも、僕らは“こんにちは”にしてるんだよね。なんでだと思う?」

そして答えが出なければやってみるんですね~

「じゃぁやってみようか。僕がキャストをやるからゲストとして入ってきてね」

(新人が扉から入る)

(笑顔で)「いらっしゃいませ~」

「……」

「……返して?」

「……えっ、いらっしゃいました(笑)」

「言わないでしょ~(笑)」

「これで分かった?なぜこんにちはか?」

「返せるからですか?」

「そうなんだよ」

僕らがやりたいのは挨拶なんだよね。

挨拶は相手から返ってきて挨拶なんだよ。

僕らが挨拶をして返ってこないものは掛け声って言うんだよ。

「機械化してもいいこと」と「人間がすべきこと」

掛け声でよければロボットでもいいんだよね あえて「手間と時間をかける」ことの本質

僕ら人間がやる挨拶だから返してもらえるような挨拶をしていこう。

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