昭和から平成にかけての立地判定、売上予測や出店戦略は「感と経験」だった(2)
現場最前線で「科学的高精度システム化の実務」をしてきたからこそ分かること
立地の科学「動線はTGとTGの間に形成される」
さて、TG(「ティージー」)という言葉はもう身につきましたか?
どういう意味だったでしょうか。復習しましょう。
TGとはTraffic Generator(「トラフィックジェネレーター」)の略で、「交通発生源」と訳すのでしたね。「人々が集中するような施設、または場所」のことを指します。
例えば、スーパーマーケットやGMS(量販店)や大型ディスカウントストア、ホームセンターなどの大型小売店が代表的な施設としてのTGです。
鉄道の駅もTGとなります。とりわけ都市部では「駅」は重要です。
その他にも、大学や予備校、公園や河川敷などへの出入口、大型交差点もTGです。
いずれも人々が自然に集中するような場所です。
そして、大事なことは、こうしたTGがあるところには、ほとんどの場合、
「動線」
が形成されることです(図1)。
典型的な「動線」のでき方と「好立地」の捉え方
駅と大型小売店があれば、その間の道が「動線」になります。さらに、遊園地や公園があれば駅との間に、「病院」があれば駅と病院との間に、大型交差点があれば、駅からその大型交差点までの間に「動線」ができます。
これが典型的な「動線」のでき方です。
ちょっと変わったところでは、スーパーマーケットのような大型小売店と、ディスカウントストアやドラッグストアのような異なった大型小売店との間にも「動線」ができることです。
また、隣り合う駅でも、それが、別の鉄道線の乗り換えになっていると、そこに「駅-駅」間動線が必ずできます。
こやって、駅であろうと、大型小売店であろうと、それがTGであるかぎり、近くにあれば「動線」が必ず生まれます。