人を大切にする経営「京セラフィロソフィー」紐解き講座 2.理念経営とは?

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【この記事の概要】
 「なぜ理念経営は素晴らしい経営」と言われるのか?「経営のノウハウは教えません」と説く稲盛和夫さんから学ぶこと
 全責任を負う経営者がいわば「踏み絵」に当たるツールとして経営理念を活用するわけですから経営理念は全責任を負う経営者が作る必要がありますし、その内容は自分が命を懸けて「こうありたい」と思う考え方や行動規範をまとめたものであり、それを全社員に自ら範を示すと共に、全社員と協力してそれを目指すことが大事です。

理念経営の意義

 理念経営とは経営理念を中心に据えて、すべての行動や考え方を経営理念に照らして行う経営を指します。一般に経営理念は抽象的な表現を用いておりすべての業務やマネジメントに該当できるような表現をされていますので、下層職域や階層の人が適切に判断できるようにより具体的なフィロソフィーやバリューといったものもふくめて理念と解釈します。

なぜ理念経営は素晴らしい経営と言われているのか?

稲盛和夫さんの枠組みから学ぶこと

 まず私の師である稲盛和夫(以下、稲盛さんと略)さんの枠組みをお伝えします。稲盛さんの経営は仏教哲学がベースです。そのため「私の経営はお釈迦様が説かれているものでしかありません」という表現をされています。

ですから私は稲盛さんを理解するために仏教を真剣に勉強して仏教の世界観を理解して稲盛さんが説かれている哲理を理解するように努めました。では仏教の説く世界観とは何でしょうか?これは難しいですが「この世界は無である」というのが仏教が説く世界観です。

皆様は「色即是空」という般若心経の一節をご存じでしょうか?色とは「形のあるもの」であり「空」とは実態がない変化するもの」を意味します。つまり我々が実在すると思って接しているこの世界のすべての形あるものはここでの「色」に当たりそれは「空」すなわち実態がない幻想のようなものだ。という考え方です。そして実態があるのは「心」であり、この世界は実態がある心が表れている結果であり原因が心で結果がこの世界に現れているすべて」ですので心を変えない限り実態である世界は変わらないという考え方です。

私は経営のノウハウは教えません

 したがって経営の良し悪しは

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