時代と共に販促や広告などの集客、売上アップの方法も激変
これまで主流だったスーパーの折り込みチラシとその効果
私は昭和から平成の終わりまで、地方のスーパーを経営していた。大手との競争に明け暮れ、一喜一憂した日々が懐かしい。
☝️その頃の販促の主役は売り上げを稼ぐ一番のツール『折り込みチラシ』だった。週2回、売り上げが心配ならさらに1回、年間約150回も折り込み広告をしていた。
☝️例えば折込予算が1枚10円とした場合、印刷費4円・折り込み代6円の比率だ。実は折り込み代の方が印刷代よりも高い。
その理由は、この業界、新聞販売店にとって重要な収入源で地方では独占状態のため強気の価格設定でポスティング業者が活躍すると問題になる。
大手スーパーやコンビニはテレビCMでイメージアップを狙う。夏休み、クリスマスや年末年始など季節の機運を盛り上げていた。
だが、地方スーパーでは派手な広告は予算的に無理で、折り込みチラシ広告しか選択肢がない。
さらに、大手チェーンのようなキラキラしたフルカラーで大判のチラシではなかったので、チラシの効果は良くもって1日から2日。大手企業の様に「一週間セール」などとても寿命が持たない短期決戦だった。
地方スーパーが折り込みチラシをしたがる本当の理由
売上を獲得するためにいろいろ広告をしてきたが、小規模な地方スーパーでは売上に結びつかない広告があった。その広告とは?
■ 小規模な地方スーパー広告で売上に結びつかない主な広告
・テレビCM
・ラジオCM
・ローカル番組のスポンサー
・全国ネットのチャリティー番組の募金箱設置
などのマス広告
(ハッキリ言って)売り上げには結びつかなかった…。広告費用もばかにならない…。
そのため、チラシ広告一択になる。
これまでの常識が通用しなくなった。集客と売上を伸ばす方法もツールも新たなものに
時は昭和、平成から令和と変わり、同じく売上を伸ばすツールも劇的に変わった。
売上を伸ばすツールは「折り込み広告」から「SNSでの拡散」に流れが変わり、これまでの常識が通用しなくなった。
もちろん目先の売上は折り込みチラシで取りに行くが、SNSでの情報発信やメンバーシップで囲い込んで「クーポン」を配布する。
■現代の店舗集客と売上を伸ばすツール
(地方スーパー)
・SNSで情報を発信し、クーポンを配布することで巻き返しを図ることができる。
・独自アプリでリアルタイム情報を配信できれば、高額な折り込み料を払う必要もなくなる。
これまでのような費用をかけずに、自分でできるタイムリーな広告
(大手スーパー、コンビニや外食チェーン)
番組を買い、巧妙なPRを行う。「ジョブチューン」や「なんとか宮殿」、また、「ニュースの中で取り上げる話題の店」など。
消費者目線で信頼性が高く、チェーンや商品などのブランドを認知してもらい集客につなげるためには有効な方法
このように時代と共に販促や折り込みチラシなどの集客や売上アップの方法も変わったのだ。
今では、折り込み業者と価格交渉したことがとても懐かく思える。
外食チェーン、コストコやスーパー、コンビニなどの小売チェーンなど、私たちは気づかぬうちに新しいトレンドに巻き込まれているかもしれない。でも、それでは「家に帰れまテン」よ!
この記事は筆者が「note」に掲載した【スーパーの販促も変わったなぁ…という話】を要約、加筆したものです。