【この記事の概要】
「誰もが違った能力と違った価値観を持っていますので、それを一つの方向にベクトルを合わせるのは至難の業」
会社は目的志向集団であり、ある目的を達成するために、その趣旨に賛同した人が集まり、分業体を形成し、同じ目的を共有して、同じ方向に向かいます。それぞれ違った役割を持った社員が同じ方向に向かって、それぞれ違った仕事を行い(協働)目的を達成するべく活動しています。そのために「ベクトルを合わせる」ことと、そのツール作成が必要になります。そのツール作成のポイントや「京セラフィロソフィー誕生の背景」などのエピソードを交え解説します。
人のベクトルを合わせる
誰もが違った能力と違った価値観を持っていますので、それを一つの方向に合わせるのは至難の業
会社は目的志向集団であり、ある目的を達成するために、その趣旨に賛同した人が集まり、分業体を形成して、同じ目的を共有して、同じ方向に向かいます。
それぞれ違った役割を持った社員が同じ方向に向かって、それぞれ違った仕事を行い(協働)目的を達成するべく活動しています。
その際、人は誰もが違った能力と違った価値観を持っていますので、それを一つの方向に合わせるのは至難の業です。
それを可能にするのが経営理念です。違ったもの同士が同じ方向を目指して足並みをそろえられるツールとして経営理念が機能するわけです。
したがって、ベクトルを合わせる経営理念と連動したマニュアルがないと、いつの間にか基準が変わっていたり、人の数だけルールが存在して、経営者や責任者を悩ませる原因にもなります。

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ベクトルを合わせるためのツールとは
「人間として何が正しいか」を説いたもので「当たり前のこと」
稲盛さんはご自身の経営を称して「利他の経営」と言っておられます。
「利他の経営」とは他を利することを目指そうということです。排除されるべきは利己であり利己を排除して利他を推進することで経営はうまくいくと説かれています。
考えてみてください。経営がうまくいくには「顧客から喜んで支持していただくこと」が大事です。そのためには「従業員が顧客の為をおもい顧客に貢献すること」が必要です。それができるようにフィロソフィーで具体的内容を示しています。
そしてそれらは「人間として何が正しいか」を説いたものであり「当たり前のこと」が書かれています。
ですから人間として当たり前のことであれば、それを行うことで損をする人もいませんし、それを行うことでその人の人生は必ず良くなりますし、経営者はそれに従っている社員の行動に対しては責任を負うことができるのです。
みましょう」つまり、皆でこうあれるように頑張ろうと伝えることが大事なのです。