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【この記事の概要】
稲盛和夫さんが説いた『社風のでき方』から見る「社風の評価」が「理念経営評価」として最適な理由。社員も経営者も安心できる企業文化の真実評価
稲盛和夫さんは、社風はどのようにしてできるかについて「経営者の経営理念が社員に伝えられ、それが社員の考え方や行動になり会社全体の文化になることで社風が形成されます」と述べておられます。つまり、経営理念に基づく経営でその結果出来上がった企業の成果が社風であり、社風が理念経営の成果としてとらえられられます。社風を評価することは経営理念そのものの評価を意味します。
1.「社風」と「社風の意義」とは何か
社風とは、企業文化と同義であり、長年にわたる経営で形成されたその会社の風土であり、全社員が醸し出す空気感のことです。これは一定の考え方や行動が社員に浸透して無意識層に浸透して、いわば文化になったものです。
会社の良しあしはこれで決まり、社長が目指すべきはいかに素晴らしい社風を作るかであり、それの原因になるのが経営理念です。そしてそれを全社員がいかに血肉化できるかでその在り方が決まります。
2.稲盛和夫さんが説いた『社風のでき方』から見る「社風の評価」が「理念経営評価」として最適な理由
稲盛和夫さんは、社風はどのようにしてできるかについて「経営者の経営理念が社員に伝えられ、それが社員の考え方や行動になり会社全体の文化になることで社風が形成されます」と述べておられます。
つまり、経営理念に基づく経営でその結果出来上がった企業の成果が社風であり、社風が理念経営の成果としてとらえることができるため、「社風を評価することは経営理念そのものの評価を意味する」ためです。
3.経営理念の評価方法
評価するには全体評価と部分評価で評価するのが良いでしょう。全体評価は部分評価を構成するいくつかの評価項目を統合したものととらえます。以下、概説します。
(1)全体評価:社員の幸せ度
幸せはすべての人間が求めてやまない項目ですので、全体評価として評価すべきは幸せ度になります。
幸せは人それぞれが感じる事であって主観的なものですので、例えば10段階評価で自分がどの程度幸せを感じてるかを記入しいていただきます。
ここで明確な基準が出せないという問題がありますが、一般にポジテイブな人は高めの評価をする傾向にありますし、ネガテイブな人は低めな評価をします。
人間が集まればどの組織も測定項目を決めるとその分布は正規分布になりますので一定の傾向が比較可能な形で出ますので、一定の傾向で集約しますので、明確な基準に対してあまり神経質になる必要はありません。
(2)部分評価:真実は細分に宿る
経営者が目指す企業のあるべき姿をもとに測定したい項目を例えば10項目決めて、それを全社員で各人が10段階評価をして、その平均をとり理念経営の評価とします。
社員には役職者やパート・アルバイトなど階層の違いがありますが、ここではウエイト付けは行わず誰もが同じ割合で評価するのが良いでしょう。なぜなら階層によって心の在り方が変わりますので、同じウェイトで見ることで企業の実態が明らかになるからです。
『真実は細部に宿る』ということわざがあります。これは弱いところにその組織の歪みが集約されることで真実が分かるのですが、そのような実態も反映させるために、すべての階層が同じウェイトで集計されることで実態が明らかになるととらえてください。
(3)部分評価の項目例
本来は各経営者が自らこだわり「わが社はこうありたい」という項目を選ぶべきなのですが、ここでは一般にあげられるであろう項目を先ず例示します。私は社風は意識で決まると考えていますのでここでは各種の意識を上げて評価していただきます。
① 問題意識
② コスト意識
③ 納期意識
④ 目標達成意識
⑤ やりがい
⑥ 仕事への誇り
⑦ ストレス
⑧ 成長意欲
⑨ 会社への信頼
⑩ 経営陣への信頼
⑪ 上司への信頼
⑫ 仲間への信頼