【この記事の概要】
相次ぐ不正や不法行為から「店と人を守る」そして「売上と利益を守る」
徹底した監査実施の結果、逸失利益を最小限にして、人の育成もすることができます。「性善説」がベースの日本式経営に「性悪説」をベースにした米国式経営の店舗監査によって誘惑や隙を与えない店舗環境を経営者に代わり、第三者的視点で整える方法について解説します。
店舗監査[会計と業務]のすすめ方【目次】
1.なぜ店舗監査が必要なのか?
「店と人を守る。そして、売上と利益を守る」。この大原則を支える店舗監査が機能しないと売上低迷やモラル低下を招いて、内部不正や外部不正が横行し、最悪、経営危機にも。
ピープル・ビジネス発症の米国は「多民族の国」で個人主義や契約社会などの文化。一方で、日本は安全や人を疑うことは馴染みの薄い文化で、店舗では万引きや内部不正によって企業財産がむしばまれ、甚大な被害をもたらせることになります。店舗経営に不可欠なことは……
2.店舗の会計監査と業務監査の必要性
人は過ちを犯すもの。私たちの脳は「自分が正しい。自分の都合で考える」。また、「人は自分の誤りを隠したがり、その指摘を極端に嫌う」という性質があります。
これが監査の前提です。100%完璧な人間などいません。この性質からいかにしても「他人が見ているように、正確に自分を見ることは難しく、自分が正しいと思ってしまいます」。そのため第三者が株式上場時の厳しい審査項目と同等の監査が店舗経営にも必要に……
3.店舗監査の種類
監査の狙いは、店舗に常に気を配っていることの周知から「出来心による悪事を踏みとどまらせる」抑止や予防にあります。
一般に監査は「誤りを見つけて修正すること」と「悪者を見つけて反省させたり、罰を与えること」と思われがちですが、それは違います。監査によって、ミスが起こりづらい仕組みややり方を作りそれに従うことと、もしミスや悪意による盗みがあった場合……
4.実務環境の背景監査『裏取り』
「真実は細部に宿る!」
業務は人が行いますので、ミスや悪意の行動、その他宗教的勧誘や反社とのつながりによる問題など人の在り方で決まります。監査には、具体的な内容と監査員の実感も問われます。そのため、各店舗がどのような人で構成され、運用されて、どのような実務環境を作り出しているかを監査……
5.物の監査 実施項目と着眼点
「物とは、重要な企業資産。それを着服して自分で使うか、横流しによる横領を予防」
店舗監査でモノの監査を行う場合は、実地棚卸と帳簿棚卸の差異の監査から、商品などの商取引が正しく行われているか。正しく活用できているかなどをPOSレジなどの機材、返品などの伝票やジャーナルなどの証憑類、店舗にあるはずの設備や機器などを……
6.現金監査 実施項目と着眼点
多くの人が関わるビジネスだからこそ「安心安全な店づくり」
店舗経営では、商品やサービスの販売提供時にはお客様と現金など金銭の授受が生じます。その金銭授受を行うのは正社員に関わらず高校生、学生などのアルバイト、主婦らのパートなど多種多様な人が対応しているため「お金」の管理がとても重要に……
7.店舗運営水準(お客様満足度)監査 実施項目と着眼点
「会社の定めた基準の遵守と基本を徹底することが重要」
と聞くと「機械的、マニュアル的な人財開発」をイメージされることがありますが、「正しいことを正しく行う」ための最低限のルールや基準のことを指します。店舗経営では、業務やルールが標準化などが必要です。店舗監査では、このような状況で働く人たちすべてが……
8.総括「安定経営のススメ」
「逸失利益を最小限に」
店舗監査によって売上は約3~8%、利益は3~5%の確保を可能にします。「隙の無い店舗経営環境」を第三者的視点で整えることで実現可能な値です。それは、中小企業にとって一番恐ろしい「内部からの崩壊」を防止します。不正の誘惑や衝動を与えない「安心安全な店舗環境」づくり……