(最新版)飲食店「繁盛の秘訣」9.専業主婦から年商7億のラーメン店の美人オーナーへ「焼きあご塩らー麺たかはし」

専業主婦から年商7億のラーメン店 オーナー

【本記事の概要】
 育児に追われ、飲食店の経験も知恵もまったく無い専業主婦のど素人経営の真髄
 今では、魚介スープブームのパイオニア的存在も創業時は鳴かず飛ばずで赤字の日々。その逆境に耐え、苦悩を乗り越えた原動力は、逆境を武器にするバイタリティ。そして、現状思考でなく、目標からの逆算思考にあります。そして、一過性のブームで終わらせず、長く続く本物の文化にするための使命感を抱くようになって、更なる飛躍のきっかけに。これらに「焼きあご塩らー麺たかはし」ど素人経営の真髄が垣間見えます。

この記事の目次

三人の育児に追われ飲食店の経験も知恵もまったく無い専業主婦がラーメン屋を創業

子育てしながら上京。イチかバチかの賭けでラーメン店を開業し、なんと創業10年で年商7億円を達成

 創業者で現社長の髙橋夕佳さんは、もともと専業主婦で故郷新潟で三人の育児に追われる日々を過ごしていました。

その後、子育てしながら上京しイチかバチかの賭けでラーメン店開業し、なんと年商7億円を達成したのです。

実は、飲食店の経験も知恵もまったく無く、味も独学で専業主婦の髙橋夕佳さんが、なぜラーメン店を創業し、どのようにして年商7億円を達成することができたのでしょうか?その真相に迫ります。

今では、魚介スープブームのパイオニア的存在となった「焼きあご塩らー麺たかはし」も創業時はまったく売れず赤字の日々

 髙橋夕佳さんは筆者のインタビューに次のように答えいます。

・飲食店の経験も知恵もまったく無く、味も独学。経営も運営も分からない中で上京し、2012年、茗荷谷(東京都文京区)に小さなラーメン店を夫婦経営で始めた。

・最初は鳴かず飛ばずでまったく売れない。日の目を浴びない時間が長く大赤字の日々。

・飲食店がこんなに大変だとは思わなかった…。

創業のきっかけ「新卒社会人で経験したコンプレックスが強い原動力に」

 大学卒業後、スケールの大きなビジネスに憧れて東京にある東証一部上場企業に就職も半年でで”きちゃった結婚”で専業主婦になりました。その後、同期の出世や活躍もあいまってコンプレックスに。

そのコンプレックスが強い原動力となって再挑戦を決意しました。そして、「今思えば、商品は何でも良かった」とおっしゃっています。

ちょうどその時、高橋さんの出身地である新潟でラーメンを通して馴染みがあり、慣れ親しんでいた焼きあごに着目しました。

さらに、東京には「あごだしのラーメン」がなかったことに気づき、東京でやったら喜んでもらえるに違いないと確信して、東京でもう一度、勝負するために上京されました。

その後、あるきっかけで「あごだしブーム」の火付け役として多くのメディアに取り上げられブームをけん引することに。

そして、高橋さんは、一過性のブームで終わらせず、長く続く本物の文化にするための使命感を抱くようになって、さらに飛躍するきっかけになりました。

売れるきっかけになったこと

 「バランスは良いが、主張のない無難な味…」

創業後、客足が伸びない中、味が定まらず、味を変え続ける試行錯誤の日々が続いたのです。 

そんなある日「何を伝えたいのか分かるモノを作っていかないと」と考え、これまで毎日ちょっとづつ変えてきた味を、味を劇的に「無難な味から、主張のあるインパクトある味に」に変えて勝負に出た。

その結果、自身の求める商品を見いだすことができて、その商品が現在の主力商品「焼きあご塩らー麺」の原形となっているのです。

それは、創業したきっかけの「あご出汁のラーメンで喜んでもらえるに違いない」を追い求め、原価に妥協しない商品づくりからお客様から支持されたのです。

売れたワケは商品力だけではなかった。商品を売るための原理原則を徹底していた

ピープル・ビジネスのビジネスモデル視点での要点整理

 「焼きあご塩らー麺たかはし」は売上増大戦略をとり、高投資・早期回収型のビジネスモデルです。

とは言え、リスク・ハイリターンの博打的ビジネスではなく、一円、一円の積み重ねで早期を回収を実現している。

ビジネスモデルの項目別要点

1.商品戦略

 主力商品を絞り、売れないからと商品をひろげませんでした。単時間で高品質の商品提供を可能にし、結果、クイックサービスによって客席回転率を上げて、収益を獲得しています。

2.リピート戦略

 「また食べたい」と思わせる主張とインパクトある味の主力商品「焼きあご塩らー麺」で固定客化をを図り、販売価格をディスカウントなど現金を減らすようなリピート戦略に頼っていない。

3.出店戦略

 一等立地。創業当時は、マーケットの小さい茗荷谷に出店しましたが、マーケットの大きな新宿に店を移転しました。

要は、一般的にありがちな「美味しい商品であれば、お客様はどこでも来店してくれる」との発想ではなく、出店戦略の大原則である「お客様となる人の集まる地域」「お客様が来店しやすい場所」に移転したのです。

これも創業時のまったく売れない大赤字の日々を経験したからにほかなりません。

4.営業時間設定

 立地の潜在購買力を最大限獲得できる営業時間を設定し、施設稼働率を上げています。

5.オペレーション

 主力商品の絞り込むことで 徹底的なオペレーションの工程管理から無駄を最小限にし、単純化や専門化されたオペレーションで即戦力化や人件費削減も可能にしています。

実は、これらはチェーン化やマニュアル化に必要な3S(単純化、標準化と専門化)を指し、高橋さんからはこの「3S」という言葉はありませんでしたが、ご自身の苦悩から探究し、導いた結果なのではないでしょうか。

マクドナルド アメリカ ミュージアム

(3Sの詳細関連記事)ピープル・ビジネス理論 2章 ビジネスモデル論 3.業態革新の探究と競合差別化の歴史 この記事では、大手チェーンに見る「今では当たり前の文化」。しかしながら、創業当時は「当たり前ではなかった」のです。その背景には失敗と試行錯誤の繰り返しとあくなき挑戦について解説します。

6.収益対策

一等立地の高家賃対策

 クイックサービスと限定メニューで客席回転率を上げてピークタイムの売上獲得と適切な営業時間設定で、効果的に売上を獲得しています。

粗利増加対策

 粗利を増やすために原価を削ることはせずに、逆に原価率40%にしてお客様満足度が上がるように商品価値を上げて販売数を増やし、粗利益を増やしています。

ロス対策

 商品の絞り込みと販売数を増やすことで食材の回転率を上げ、不要な仕入れや仕込みを減らました。

損益構造

 上記の売上や粗利益を最大限獲得するオペレーションに加え、お客様の来店や満足度に影響しない固定費や変動費は徹底的に圧縮して損益分岐点を下げているため、高利益率の損益構造になっています。

スケールメリット

 自社の事業規模と店舗数を増やすことに伴った仕入れ構造や物流の見直しによって原価率を10ポイント削減しています。。

資金調達

 自己資本が低い中、大きく借入して、出店に投資し、早期回収と返済の繰り返しで信用を上げて資金調達がしやすい経営状況を実現しています。

これらは、商品戦略、オペレーションや高利益率の損益構造などの総合的なビジネスモデルが支えています。

ど素人経営の真髄「成功と失敗の選択」

現状思考と目標からの逆算思考が成否を分ける

 もしあなたが商売をするなら、家賃が安くて、マーケットが小さく、潜在購買力も低く、立地も悪く、狭い店舗で商売をしたいと思いますか?それとも、逆のほうがいいですか?

これは、創業し、年商7億円を達成するまでに高橋さんが繰り返した「成功と失敗の選択」の一つで、その考えは、以下に要約できます。

商売の定石

 売れる場所で、売れる商品を徹底的に売り尽くす戦略でそれを仕組み化する。

商売の成否の分岐点

 商品力だけで勝負しようとしたり、開業資金が足りないからと三等立地で開業しても、集客が難しく、結果、毎日多くのロスを出し、資金繰りが悪化してしまう厳しい経営になります。商品が売れる立地を選び、必然な資金を調達。

立地と廃棄ロス

 三等立地でロスを出すのであれば、そのロス金額分上乗せした立地の物件の方がまだ売れる。売れる立地で、機会損失なしで売れれば、ロスも最小限に抑えられる。

「焼きあご塩らー麺たかはし」ど素人経営の真髄

 飲食の経験も知恵もないど素人がコンプレックスを武器に大赤字を克服しました。イチかバチかの賭けで年商7億円を達成した裏には、逆境を武器に変えてしまうバイタリティに加え、現状思考でなく、目標からの逆算思考で現実を見て徹底的に行動されています。

そして、商品や資金ばかりに目が行きがちなのですが、お客様に満足いただける商品を売るために投資と回収を考え、ビジネスモデルで俯瞰して必要な行動と優先順位を決めて、結果が出るまで徹底的に実行をしています。

これが「焼きあご塩らー麺たかはし」のど素人経営の真髄と言えるのではないでしょうか。

(撮影のご協力)
株式会社ヒカリッチ アソシエイツ
代表取締役 髙橋夕佳 様
https://takahashi-ramen.com/

(produced by)
株式会社プランズ 炎丸 グループ 代表取締役 深見浩一
https://prunz.jp/

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