1.店舗経営におけるクレーム管理
店舗経営の存続を左右するさまざまな危機に対応できるように、身近でな危機で突発的なクレーム管理を通じて、迅速かつ適切な対応から事態を悪化させない問題解決によって、「危機管理」と「リスク管理」をを体系的に習得し、そのプロセスからどんな時でも冷静沈着で動じない精神力「不動心」を鍛え上げ人間力を向上させる。
店舗におけるクレーム対応の実態は、お客様相談センターなどへの外部委託が進み、店舗スッタフの育成もできなくクレームの初動ミスから問題を大きくしてしまっていることから、店長やスーバーバイザー(SV)がクレーム処理係となって奔走し、本来の業務ができないことから問題は更に悪化して、精神的負担による退職での人不足や外部委託費用などから更に利益を圧迫してしまう。管理職がクレーム処理係となって奔走することも昭和から変わっていない。
2.「危機管理」と「リスク管理」の違い
・危機管理(予防と対応):顕在化した危機への対処
・リスク管理(予防、対応と再発防止):不測の事態や緊急事態の対策、危機発生の予防
3.クレームとは
クレームの語源から解釈すると、「クレーム(Claim)」で「主張する」や「要求する」を意味し、一般的には「お客様が消費や購買活動を通じて、店舗などから提出されたサービスや品質などに対して不満足や怒りを伴う、なんらかの要求や主張」のことで、一般的に「苦情」「ご指摘」や「ご要望」と呼んでいる。
そして、クレームという言葉からネガティブに捉えられがちだが、それが持つ意味、裏側にある実態認識のため『グッドマンの法則』を紹介しよう。
『グッドマンの法則』とは、米国の消費者問題局が実施した「米国内の消費者クレーム処理調査」調査担当がTARP社(代表ジョン・グッドマン氏)で、取りまとめたデータから佐藤知恭氏(顧客ロイヤルティ協会設立者)がクレームとリピート率の相関関係から発見した法則を『グットマンの法則』と提唱し、その概要は以下の通り。
不満を持ったお客様のうち
① クレームを言う人:4%
② クレームを言わない人:96%(その不満を10人に伝える)
クレームを言ってその対応次第でのリピート率は
① 迅速に解決した:82%
② 解決して満足した:54%
③ 不満:19%
このように、クレームの持つ意味はとても恐ろしい。
不平や不満を抱いても何も言ってくれずに、再利用や再購入など、店と関わりを持ちたくないことから他の店に行ってしまう。そして、その不満を友人など、他の人10人に伝えてしまう。このような人のことを「サイレントコンプレーナー(Silent Complainer)」と呼んでいる。
調査データは1970年代であるが、データの古い新しいよりも、数字の持つべく意味に着目し、顕在化したクレームの裏を考えた対応が重要になる。
3.クレームの本質
クレームとして顕在化するのは「氷山の一角」で、気がつかないうちに競合他社に顧客を奪われている。
本当は「自らが気づかなければならないこと」を「クレーム」として教えてもらっている。そして、お客様がクレームを言うワケは「店に改善してほしい」からで、他の店に変えたくない固定客であることも多く、お詫びよりも「改善の約束」を求める傾向にある。
良いクレーム対応の結果、あなたの店のファンになってくれることも多く、クレームと言うお客様の声をいかに、今後の店舗運営に役立てるかが大きな課題になる。
「クレーム」を単なる「苦情」として片付けずに「ご指摘」や「ご要望」として受け止め、クレームの本質から改善に活かして再発防止で、ピンチをチャンスに変える機会との認識が重要で、そのほうがお客様と店舗の双方に大きなメリットがある。
しかしながら、実態はクレームをお客様相談センターなどへの外部委託が進んだ結果、店舗スッタフの育成もできなくて、クレームの初動ミスから問題を大きくしてしまっている。
店長やスーバーバイザー(SV)がクレーム処理係となって奔走し、本来の業務ができないことから問題は更に悪化して、精神的負担による退職での人不足や外部委託費用などから更に利益を圧迫してしまう。管理職がクレーム処理係となって奔走することも昭和から変わっていない。
一見、現場の作業量を減らし、外部委託によって人件費が削減できたように見えるが、実際には人不足に関わる費用や販売のチャンスロスなどの損失は計り知れない。原点は現場のことは現場で対応する原点回帰も必要だ。