
現金管理のチェックポイント
このチェックポイントは、店舗の現金管理を強化し、利益確保と従業員の安全な労働環境を実現するために不可欠です。不正防止から日々の運用、さらには人材育成まで、以下の項目で現金管理体制をさらに強固なものにしていきましょう。
- 不正防止:店舗内のすべての現金(売上金、つり銭、小口現金、商品券、クーポン券など)を正確に処理し、企業の財産を保全することで、最大限の利益確保と不正のない安全な労働環境を実現し、貴重な人材を育成していますか?
- 管理体制:担当者や時間帯責任者が現金をダブルカウントし、その後、責任者が担当者の立ち会いのもとでダブルチェックを行うなど、「信頼するが、信用はしない」という考えに基づいた徹底した管理体制を構築していますか?
- 定期監査:SVによる月1回の抜き打ち現金監査を実施し、従業員に常に管理されているという意識を植え付け、不正の隙を与えないようにしていますか?
- 経営者視点:日報や損益計算書などの帳票から異常値に気づき、現場検証から原因を特定し、改善までを行うサイクルを繰り返すことで、経営者視点を養っていますか?
- レジ管理:レジの正確な操作や必要な点検から、高額紙幣の取り扱い、レジドロワーの管理、レジ記録と現金の照合、取引履歴、帳票の記入漏れやミスなど、異常がないかを確認していますか?
- 小口現金管理:日常的に発生する少額の支払いを管理する小口現金出納の正確な記録、使途や金額のチェック、残高の確認、領収書の管理を徹底していますか?
- 金庫管理:事業運営において最も重要な現金を保管するバックマネー(金庫)の入出金を厳格に管理し、定期的な残高確認、セキュリティ対策を徹底していますか?
- 環境整備:従業員が安心して働ける職場環境作りのために、現金事故のないように誘惑を排除し、従業員間の不信感を解消するような取り組みを行っていますか?
- 現金差の把握:レジで生じた現金差を、プラスやマイナスの合計だけでなく、絶対値の合計と件数、平均値で把握し、原因究明と処理を適切に行っていますか?
- 人間関係:チェックは単にチェックリストをこなすだけでなく、スタッフの良い点を褒め、問題点があれば改善点を伝える機会と捉えて、人間関係を良好に保ちながら管理・監督を行っていますか?
現金不正の事例に学ぶ
繁忙期の盲点!見逃された不正の手口
ある小売の繁盛店で、数万円の高額な現金差異が発生しました。
その原因究明のため担当SVが店舗を訪れ、昼の混雑時、店内を観察すると、一人のレジ担当者が基準外のオペレーションをしているのを発見しました。
なんと、レジのドロワーは開けっ放しで、受け取った紙幣や小銭がぐちゃぐちゃに入れられて、お客様の会計を続けていたのです。
このレジ担当者は入社6ヶ月のアルバイトで、ピークタイムでレジ操作がパニックになっている様子はありませんでした。店側も何度か注意していましたが、改善は見られないとのことです。
後日、お客様のふりをしてレジ近くで様子をうかがっていたところ、「お釣りを貰いにきた!?」という不審な会話が聞こえました。状況から店の関係者ではないと判断できたので、会計後すぐに確認したところ現金差異があり、防犯カメラの映像が決め手となって不正を認めました。
その手口は、忙しい時間帯に友人と共謀し、つり銭の1000円札の中に1万円を紛れ込ませて渡すというものでした。ドロワーが乱雑だったのは、不正の瞬間を狙っていたためです。
いくつかのルールを遵守しなかったために発生したこの事例は、オーナーが高い代償を支払うことになりました。この経験は、ぜひ今後のトレーニングに役立ててください。
まとめ∶店長の現金管理
店舗の人材と利益を守るための現金管理の徹底
現金管理は、店舗経営における「人・モノ・金」のマネジメントの要であり、企業の利益確保と人材育成に直結する非常に重要な業務です。単に現金を数えるだけでなく、不正やミスを未然に防ぎ、従業員が安心して働ける環境を整備することが目的です。そのためには、「感情」と「正確性」を軸に、「モノ」→「金」→「人」の順で段階的に管理能力を育成することが効果的です。
具体的には、日々最も金銭が動くレジの正確な操作、少額ながら見過ごされがちな小口現金の厳密な管理、そして事業運営の根幹をなす金庫内の現金(バックマネー)の厳重な管理が求められます。
これらの金銭管理を徹底することで、業務の精度が向上し、企業全体の信頼性が高まります。また、定期的なダブルチェックや抜き打ち監査、異常値の早期発見と改善サイクルの確立も不可欠です。
現金事故は大きな損失を招くだけでなく、従業員間の不信感や離職にもつながるため、誘惑を与えない環境作りが重要です。
本マニュアルを通じて、現金管理の重要性を再認識し、実務に活かしてください。



