【この記事の概要】
「魔法の国ディズニー」を支える従業員やお客様の心を動かすディズニーは他と何が違うのでしょうか?成長を続けるディズニーの根底にあることとは。
どうしたらディズニーのようにアルバイトでも立派になれるのか?と多くの人達から、聞かれることが多いのですが、、、いったい何が違うのでしょうか。約2万人の従業員が在籍し、その中で約9割を占めるのがアルバイト。筆者の僕もその一人で、もともとはヤンキーでした。他にも、そこら辺にいるようなお兄ちゃんやお姉ちゃん達もいます。昨日まではずぶの素人もディズニーで働くと目の色が変わり、お客様の期待を上回るサービスが提供できるようになるんです。いったい何がそうさせるのでしょうか。
ヤンキー少年の人生を劇的に変えたディズニーランド
魔法の国を支える従業員やお客様の心を動かすディズニー
現在東京ディズニーリゾートでは約2万人の従業員が在籍しています。その中で約9割をしめるのがアルバイトの従業員で、ディズニーではキャストを呼んでいます。
筆者の僕はもそのアルバイトの一人だったわけですが、もともとヤンキーでしたので「働くことの意味」や「社会人として大切なこと」なんてまったくわかりませんでしたし、ましてや「教えること」や「本当のサービス」とは無縁でした。
そして、そこら辺にいるようなお兄ちゃんやお姉ちゃん達も一緒で、昨日まではずぶの素人もディズニーで働くと目の色が変わり、目の前のゲスト(お客様)の心の声を聞いて、その期待を上回るサービスを提供できるようになるんです。
学校では教えてくれない「働くこと」「教えること」「本当のサービス」ってこういうことなんだって、仕事を通じた経験から学びました。社会人として大切なこともみんなディズニーランドで教わりました。
このディズニーランドでのアルバイトが僕の人生を劇的に変えることになりました。
ディズニーでのアルバイトを卒業して現在まで多くの人達から、どうしたらあんなにアルバイトでも立派になるのかと聞かれることが多いのですが、それはきっと人の心のスイッチをオンにする教育システムと、現場のリーダーシップで人を動かすのではなく、人の心を動かしているのではないかと思います。
この記事では著者が現場のリーダーをした体験から、人の人生を変えるディズニーで働く魅力やキャストを支えること。そして、どのようにしてキャストの本気のスイッチを入れるように促していたのかなどについて、ちょっと面白い視点から解説してみようとおもいます。
ディズニーランドの主役は誰?
まず、ディズニーランドでの主役って誰かわかりますか。
そこで、まず知ってほしいことはディズニーランドの教育ベースでメインとなるのが、ディズニーテーマパークの基本理念であるディズニーランド ファミリーエンターテイメントです。
この記事では、ディズニーランド ファミリーエンターテイメントにフォーカスして解説します。
次の記事「ディズニー流経営の極意 2.ゲスト満足と売上達成を両立!ディズニー魔術商法の本質」で、ディズニーテーマパークの基本理念を総合的に見た解説をしています。
ディズニーランド ファミリーエンターテイメントとは
世代や国境を超え共通の体験で笑い、驚き、発見、楽しみを共有する世界です。
ウォルト・ディズニーの言葉、「ディズニーランドは幸福な場所であり、大人も子供も驚異や冒険を共有し、楽しい思い出を作って欲しい」という願いがあります。
- あらゆる世代が一緒に楽しむ“ファミリー・エンターテイメント”を実現するウォルト・ディズニーの思いがディズニーランドを生み出しました。
- この考えがディズニーテーマパークの基本コンセプトとなっています。
この考えがベースになって、アルバイトの僕たちは、
家族みんなが楽しめて、最幸の体験を通して感動して帰っていただくために、私たちディズニーキャストが存在しているんだと言う事を新人キャストに事例を交えながら教えていくわけですが、そこには必ずいつもゲストを中心に据えてお話をしていきます。
ですから、何度も何度も耳にするのがこの言葉でした。
「全てはゲストのために」
「全てはゲストのために」と言っても、現場でどう行動すればいいのか、どう教えればいいのかわかりません。そこで、少し咀嚼して分かりやすくします。
- 今やろうとしている事は、ゲストにとって本当に必要な事なのか?
- またそれをする事でゲストは幸せになるのか?
こんな事を中心にして「全てはゲストのために」を教えていくわけです。
これはこれで目の前の人の心の声を聞いて動くためには必要な動機付けとなるので、ディズニーでは最も必要不可欠な事になるわけです。
このディズニーランド『ファミリーエンターテインメント』の「全てはゲストのために」を現場で突き詰めていくと、徹底したホスピタリティからゲストにはディズニーランドは慈善事業のように映ることがあるようです。
そこで、ディズニーランドの事業について触れたいと思います。
ディズニーランドは慈善事業ではありません
年商6100億円超、従業員2万人超の巨大企業で成長を続けるれっきとした優良企業なんです
アメリカ合衆国のウォルト・ディズニー・カンパニーとのライセンス契約により、東京ディズニーランド(TDL)や東京ディズニーシー(TDS)を中心とする東京ディズニーリゾート(TDR)を運営する各企業を統括しているのは、株式会社オリエンタルランドでれっきとした東証プライム市場の上場企業なのです。
2021年3月期連結決算で1996年に上場以来、初めての通期最終損益541億円の赤字(前の期は622億円の黒字)を計上しましたが、その主な原因は新型コロナウイルスの感染拡大による休業要請などで長期間臨時休園したことですので、優良企業に変わりはありません。
このように、ディズニーは上場企業ですので、コミットメントした売上や利益などの目標達成が求められますので、飲食店や小売店などと同じように日々の予実管理が必要になります。
売上や利益目標をいかに達成するか、本社から現場最前線のパート・アルバイトにも求めらられています。
でも、ディズニーのパーク内にあるレストランやショップで働くキャストに「売上を上げろ」とか「利益率の高い商品を売って」などとは、言えない、言ってはいけないのです…。
なぜならば、ディズニーは夢の国だからです。
では、どのようにしてディズニーでは売上や利益を達成しているのでしょうか。
なぜ夢の国ディズニーはこのような優良企業なのでしょうか?
他と何が違うのでしょうか?
この連載で皆さんと一緒に探究して行きましょう。