ピープル・ビジネス理論 6章 店舗集客『ストアレベルマーケティング・マニュアル』 5.ストアレベルマーケティングの正しい理解

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「店舗販売促進」と「ストアレベルマーケティング」の違いを理解しよう。売上を伸ばしたいのであれば、販売促進だけでは不十分です。「売上とは店舗イメージの基で成り立つもの」。これが商いの根本であり、ピープル・ビジネスの原理原則なのです

「店舗販売促進」と「ストアレベルマーケティング」の違いを理解しよう

さて、「店舗販売促進」と「ストアレベルマーケティング」は、しばしば混同されがちですので、まずはそれぞれの定義を把握しておきましょう。

「販売促進」は、「マーケティング」の一部における活動のことを指します。一方、「マーケティング」では、課題を抽出・分析し、最適な解決策を導き出すための思考の枠組みを「4P」と呼んでいます。

「4P」とは、以下の4つのマーケティング施策の頭文字をとったもので、アメリカの経済学者ジェローム・マッカーシー氏が1960年に提唱した概念です。

  • Product(商品)
  • Price(価格)
  • Place(流通・場所)
  • Promotion(販促)

つまり、

  • 商品は、「何を売るのか?」という商品戦略
  • 価格は、「いくらで売るか?」という価格戦略
  • 流通・場所は、「どの地域で売るのか?」という流通戦略
  • 販促は、「どのようにして知ってもらうか?」というプロモーション戦略

これら要素の最適化によって、ターゲット顧客を獲得し、商品やサービスの提供をいかにして実現するかを考えます。そのため「マーケティングミックス」とも呼ばれています。。また、この「4P」は、マーケティングでは戦略の立案から実行までの6つプロセスの中の一つの段階にすぎないので「4P」単体だけでの機能は難しいのです。

次に紹介するマーケティング6つのプロセスをご覧ください。

マーケティング6つのプロセス(戦略立案から実行まで)

  1. マーケティング分析(環境分析と市場機会の発見)
  2. マーケットセグメンテーション(市場細分化戦略)
  3. ターゲティング(標的市場の絞り込み)
  4. ポジショニング(競合差別化戦略)
  5. マーケティング・ミックス(4P)
  6. マーケティングの実行と評価(投資と回収、投資効率と再投資の検討)

ストアレベルマーケティングの特徴

このように学術的内容を店舗で実践がしやすいようにし、顧客とより密接な関係を築き、地域密着のナンバーワン店を実現するために、ストアレベルマーケティングが開発され構築がなされてきました。

そのため、店舗経営の現場では”実践ありきで、知識は後から”のため、経営理論や用語の理解がなくても実践可能な内容です。むしろ知識が多すぎでも実行の妨げになる場合があるので、最初は、PDCAサイクル*の実行を優先されることをおすすめします。

◆PDCAサイクル*とは:Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)の頭文字をとった仮説・検証型プロセスを循環させて、マネジメント精度を高める方法。

一般的なマーケティングとストアレベルマーケティングの違い

マーケティングとは

一般的にマーケティングは「商品やサービスを顧客に提供(販売)できる仕組みを構築すること」と説明され、マーケティングの「4P」やマーケティング戦略立案から実行までの6つのプロセスで構成されています。

ストアレベルマーケティングとは

「店舗の売上を増やし、周辺地域において良いイメージを築くための全ての活動」と定義しています。上記のマーケティングに加え、店舗外観や内装などのハード面と雰囲気などのソフト面。商品の品質、サービスや清潔さに店舗スッタフの質、販売力や接客力などのオペレーション。

これら店舗イメージ、従業員満足度とお客様満足度と店舗視認性や商圏内認知度までのあらゆる活動が含まれ、高校生のアルバイトにもできるシンプルな仕組みで構成されています。

ストアレベルマーケティングの目的とは

ストアレベルマーケティングには、以下の2つの目的があります。

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