連載にあたり
私、佐藤勝人は両親が1964年に創業したカメラ店を1988年に継いで業態転換し、その後、紆余曲折あり、艱難辛苦の中、現実と向き合い、このような時だからこそ皆さんにお伝えしたいと考えてこの連載を始めることになりました。
新シリーズは「リーダーシップ」というテーマでお送りします。
特に、店長さんや経営幹部クラスの人たちがいかに現場で、あるいは組織で、必要なら社外の人に向けても、どうすればちゃんとリーダーシップを発揮できるか。そのための考え方や実践のヒントを皆さんにお伝えしようと思います。
第一回は「私たちが思い描いているリーダーとは何だろうか?」です。
令和の現在、私たちはいわゆるリーダーについてどう捉えているでしょうか。その理解の、1―どこがまだ通用し、2-どこが時代に合わなくなっており、3-それらがまだ未整理のまま残っているのはどこでしょうか。
第一回はその辺りの交通整理から始めます。ではスタート!
修養の考え方と教養の考え方の混在で
リーダーのイメージが迷走
最初に今回の話のベースになる図を見てください。
右側が【修養】の世界観、左が【教養】の世界観です。
右には〈プロセス主義〉〈多能工〉〈終身雇用〉という項目が入ります。対する左は、日本の場合は元からそうだったわけじゃないが、今は〈ゴール主義〉〈単能工〉〈案件ごと雇用〉といった項目が入ります。〈合理主義〉もこちらです。
プロセス重視とか、きちんと段階を踏まえて進めることが正しいとかいうのは【修養】の世界観です。日本は明治以降の教育で元々修養の国でしたが、戦後アメリカから「プロセスよりも最短でゴールするやつが偉い」という価値観が入ってきました。
今の日本は両者の融合が進んでいる過渡期の状態です。言い換えれば、両者がごっちゃになって訳が分からなくなっています。