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スターバックスの店舗と本社を繋ぐ管理職とは、店舗とのチームワークはもちろんのこと、会社と店舗のチームワークをも考えたマネジメントの実施。そして、米国本社から派遣された指導官の驚くべき要求とあるべきマネジメントスタイルとは
直接的マネジメントから間接的マネジメントへの職責変更の難しさを痛感。他DMのマネジメントスタイルの違いから「DMの仕事っていったい何なのか?」日を重ねるごとにわからなくなっていった
「仕事は一人ではできない」社内のネットワークを作ることができて、自身の活動の輪が一気に広がった
前回の記事「ドミノ・ピザとスターバックスに学ぶグローバルビジネス・後編 (第11回)危機的状況から店を再建した結果、嬉しい2つのプレゼント」でも述べた通り、DM昇進に合わせて本部で開催された「DM研修」なるものが一つの転機となった。
良くありがちなことは、自分だけの仕事を見て、自分だけの仕事をして、自分の部署だけを見ている近視眼的な仕事。俗に言う”利己的な仕事”になってしまうことだ。
店舗勤務では、店舗経営に関わる人たちとの対応が中心のため与えられた仕事がスムーズにできていればさほど問題は感じないかもしれないが、突発的出来事の対応や業務改善に必要な対応など店舗で対応できない時に、壁にぶつかることになる。
つまり、会社のどの部署に依頼すればいいのか、誰が窓口なのか、対応方法はどうすればいいのかなどの本社本部との関係性を知らないと店舗経営は円滑に進まないのです。それは、組織図や職務記述書を見ただけでは不十分なことで、各部署がどんな仕事をしているかまでをよく把握しておくことが必要だからだ。
店舗経営にとどまらず大企業から中小企業までの経営課題の一つにある自分の仕事しかわからない。本社本部の各部署の仕事を知らない。把握できていないため、どの部署に依頼すれば良いのかすらわからないなどの事態から、問題解決に時間がかかったり、問題が放置されてしまうなどの状況を招いてしまい、それが、組織風土となって、組織の歪みに繋がってしまう。
大切なことは、「与えられた仕事は、会社の業務全体の一部分*」。全体を理解した上で自身の役割をまっとうするという本質の理解ができていないことが多くあり、部分と全体の関係は同じ構造で、部分の中に全体があり各部分はバラバラではなく全体と同じ構造で部分が出来ていることと仕事は一人ではできないことの認識をすることだ。
すなわち、店舗でのチームワークはもちろんのことで、会社としてのチームワークを考えて仕事を進めることが管理職に求められることの認識もできた。
そして、スターバックスでは「本社」とは呼ばず「サポートセンター」よ呼び、スターバックスポリシーの「困ったときには助けを求める」を体現できる手段にもなったわけだ。相談した各部門の担当者も親身になって迅速に対応していただいたことを思い出す。
(詳細)「与えられた仕事は、会社の業務全体の一部分*」参照先:社員のための課長業・部長業・役員業(第1回)会社全体の各部門の仕事を知るとともに、各階層の役割をどう捉えるべきか
米国本社から派遣された指導官の驚くべき要求とあるべきマネジメント
もう一つ、DMで驚いたことがあった。それは育成部門の責任者としてシアトル本社から派遣されていたLさんの講義の中でのことだった。