店舗監査(会計と業務)のすすめ方 2.店舗の会計監査と業務監査の必要性

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【この記事の概要】
 人は過ちを犯すもの。私たちの脳は「自分が正しい。自分の都合で考える」。また、「人は自分の誤りを隠したがり、その指摘を極端に嫌う」という性質があります。
 これが監査の前提です。100%完璧な人間などいません。この性質からいかにしても「他人が見ているように、正確に自分を見ることは難しく、自分が正しいと思ってしまいます」。そのため第三者が株式上場時の厳しい審査項目と同等の監査が店舗経営にも必要になるのです。

店舗会計監査と業務監査の必要性
「企業財産である人とお金を守る」 店舗会計監査や業務監査のすすめ方

店舗会計監査と業務監査の必要性

 まずは店舗会計監査や業務監査の必要性を考えます。読者にとって「監査」という言葉はどのように感じられるでしょうか?人それぞれの感覚があるかと思いますが、総じて悪い印象なのではないでしょうか?

実際に著者の私も監査を行なうための資格である公認会計士ですが、「監査」という言葉には余り良い印象は持っていません。特に日本ではそのような感覚が主流なのではないでしょうか?今回は悪い印象の監査に対して少しでも印象が改善されるように皆様に有用な情報をお届けしたいと思います。

なぜ監査は受け入れ難く、馴染み難いのか?監査の歴史

 そもそも「監査」は欧米の文化から生まれた仕事であり職域です。欧米では領土争いのためにだまし合いや戦争の歴史で彩られており、民族間の争いも含めて「人を信用できない」という前提の元でいわば「必要な仕事」として監査が発生しました。

「相手を信用しない」という前提が「監査」という仕事の発生母体なのです。ですから如何しても「監査」という言葉には「相手を信用できないので!」という意味が含まれます。

一方、日本は単一民族国家で村社会ですのでお互いの信頼関係や信用を重んじる風習があり信用できない人は「村八分」という制裁を受けることで、一般には信頼関係を前提に人間関係を形成する文化が形成されています。

ですから、性善説で家族主義経営の「日本式」では「監査」はそもそもなじみにくいのです。その日本人としての「血」が「監査」を「どうもしっくりこない」という感覚にさせているのだと思います。これは日本人特有の感覚なのだと思います。

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