2024年 店舗経営総括「景気回復の兆し」飲食、小売、サービス業の好調と不振、安定経営に向けた指針

2024年総括 日本経済デフレから抜け出しインフレの兆し 店舗経営二極化  飲食小売サービス業 賃上げ率5%超 消費者物価指数 CPI 日経平均株価 史上最高値 地価上昇率

【この記事の概要】
 多くの店舗がコロナや世界情勢の混迷を受け、売上や収益維持に苦戦する一方、一部業種では拡大や上昇傾向が見られます。なぜこの差が生まれるのか。実態に迫ります。
 本記事では飲食や小売、サービス各業界の状況を整理し、企業が成長を実現するためのポイントやコロナ禍後の消費動向や人件費や原材料費の高騰が与える影響など、企業が抱える課題を具体的に解説します。ビジネスの課題や経済環境の変化を把握し、今後の店舗経営に向けた経営課題と対策を見出す機会にしていただけましたら幸いです。

この記事の目次

2024年 店舗経営の概況:好調と不振の二極化

 飲食では好調、不振が業態によって明暗を分け、小売では物価高の影響を受けつつダイナミックプライシングで回復を図る動きや業態による差別化で着実な成長が目立ちます。サービス業では、物価高騰で家計が節約志向になる中、赤字企業が増え美容室の倒産は過去最多にあります。

コロナ禍後の売上回復が進む一方、自然災害の発生や自動車工場の稼働停止などで混乱が生じ、賃金上昇が追いつかず消費意識が慎重な状況ですが、柔軟な価格戦略や店舗別対応による売上の回復が増えました。

一方、従来の方法に固執する店舗は客離れのまま不振が続き、変化への素早い対応で明暗を分けています。

不振店舗の落とし穴:変化への対応の遅れ

 コロナ禍の影響により消費行動や競争環境が変化しても、従来のビジネスモデルに固執したり、脱却できなかった店舗は売上が落ち込みました。

特にコンビニエンスストアは失速感が顕著で、まとめ買い需要を取り込んだスーパーマーケットや医薬品以外に食料品や日用品の多様な商品を揃えたドラッグストアは存在感を高めま、明暗が分かれる結果になりました。

柔軟な対応策を打ち出せず、価格競争や販売方法を見直さないことで課題が深刻化し、人手不足やコスト増も相まって収益悪化が進行しました。

一方で、市場の推移を把握し新しい業態やサービスを導入した企業は回復傾向が見られます。

コロナ禍後や世界情勢混迷の影響と相次ぐ閉店や倒産

 コロナ禍後もロシアによるウクライナ侵攻の長期化によって世界情勢は混迷を深め、エネルギーや原材料価格の高騰もにつながり、円安や記録的な物価高をもたらし、業界全体に大きな影響が及んでいます。

小売や外食ではリアル店舗とネット通販の充実、宅配の普及がさらに加速し、企業活動の在り方が大きく変化しました。

コロナ禍の影響が落ち着き、人の動きが戻り、来店客も増え、店舗の集客や売上は改善傾向にありますが、記録的な物価高が店舗経営に大きな影響を与え、原材料費、光熱費などのエネルギー価格、人件費などのコスト上昇が利益を圧迫ししています。

人手不足も深刻な状態で、店舗オペレーションに支障をきたすこともあり、チャンスロスから売上を逃してしまうことで、資金力の無い店舗は淘汰される可能性が高いと言えます。

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