競合他社と差別化を実現する販促
現場は、日々の忙しさや手軽さから折り込みチラシなどの集客方法に走りやすい傾向にある。これまでに何度も述べてきたことだが、どんなに斬新な販促アイデアや販促ツールであったとしても、いずれはまねされる運命にある。
そこで今回は、これまでに紹介した効果的な集客方法をさらに磐石なものにし、競合他社と差別化するための方法を紹介したい。
ここでの競合差別化とは、「人」を介した販促方法である。と言ってもマルチ商法やねずみ講的なものではなく、「自らの知恵と足で集客する」ことだ。ローラー作戦で近隣住宅を個別営業することも一つの方法だが、忙しい店舗経営では、日々、このような営業活動に時間を割くことは困難かも知れない。
そこで、店舗運営活動の一つとしてできる方法を考え、限られた集客活動時間を有効活用できる方法を紹介しよう。
競合差別化に効果的な集客活動
『FUN効果』で口コミ機会を増やす
店舗経営における競合差別化には、あなたに代わって見込み客に対して、店舗の存在や販売促進情報などのアピールをしてもらうことが重要になる。例え、本社本部がどんなに広告宣伝や販売促進をしたとしても、店舗への来店に繋げるために、店舗の営業努力が必須になる。
本来、新規顧客獲得に一番効果的な方法は来店されたお客様による口コミや紹介など(FUN効果)で、その強みを発揮してさらに効果を上げるためには『口コミ機会を増やす』ことが必要になる。
例えば、FUN効果による集客インパクトは7~12%の新規獲得が可能になるし、クーポン券の配布方法をとっても『口コミ機会を増やす』ことが必要で、その訳は『集客の教科書(第9回)ただ漫然と配るだけでダメ!実践検証されたチラシ、クーポンの効果的な配布術』で説明した通りだ。
よって、『口コミ機会』の一つは『営業拠点』であるため、FUN効果を最大限にするためには『営業拠点』を増やすことが競合差別化にはとても効果的である。
そこでここでは、『営業拠点』を増やす方法を紹介したい。
『営業拠点』開発の代表的5つの方法
① 事業所(法人)営業
② タイアップ
③ TG営業
④ TGとのタイアップ
⑤ クロスクーポン
*TGとは:トラフィックジェネレーター(Traffic Generator)の日本語訳で、顧客となる動線をつくりだす『交通発生源』のこと。詳細は下記を参照していただきたい。
営業拠点の開発の実践例
① 事業所(法人)営業
事業所営業とういと特別な活動と思い、二の足を踏んでいることが多い。だが、実際には、チラシをまくことと同じ活動で、配布場所が、街頭なのか、事業所なのかの違いであまり難しく考えることはない。
実は、繫盛店や多店舗展開している店舗は事業所(法人)営業の実践から足元商圏の顧客開拓を徹底して行っている。だからこそ、自店舗のブランドや商品の認知や来店の動機づけができて集客につながっている。