労務管理入門「人で失敗し、人で成功する実務」 (第5回)応募、面接と採用

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採用後に「こんな筈じゃなかった」と後悔しない『ペルソナ』・応募者を競合他社に奪われない・限られた時間で「適正」と「資質」を見抜く面接

店舗経営で一番重要なのは「人」であり、店舗で活躍する「人」の育成は、応募、面接という採用段階から始まっています。そこで今回は、人事戦略のプラットフォームである、応募、面接と採用を取り上げます。

今回の内容

1.採用後「こんな筈じゃなかった」と後悔しない採用「応募内容は採用ペルソナから逆算する」
2.面接前の心得と面接時の心得は違います
3.採用内定から入社までに必要なこと(変更明示)
4.第5回のまとめ

1.採用後「こんな筈じゃなかった」と後悔しない採用 応募内容は『採用ペルソナ』から逆算する

第3回で「人員採用計画に必要な要素」を解説しました。人員採用計画では、①どの仕事ごとに、②どの時間帯で、③それぞれ何人まで(離職率を考慮)、といった要素を具体的に落とし込む必要があります。

加えて、これらの要素を「誰」に行って貰うのか?までイメージしておくことが重要です。この「誰」かを明確にすることを『採用ペルソナ』を明確にするとも言います。

◆採用ペルソナとは?

採用活動における『ペルソナ』とは、自社が採用したい人物像のことです。

ペルソナを設定しなければ、採用したい人物像について社員間で認識のズレが発生してしまう可能性があります。自社にとってどのような人材が必要か、社員間で共通認識をもてなければ、面接時の選考基準に関して適切な判断を行うことは困難になります。

つまり、求める人物像についてしっかり言語化(若しくはチェックリスト化)できていなければ、合否判定が正しく行われなかったりする可能性があります。その結果、入社後のミスマッチが発生してしまうこともあるでしょう。

ペルソナは架空の人物を想定し、詳細な人物像を作り上げていくことで完成します。またペルソナを設定する際は、性別や年齢以外にライフスタイル・趣味・価値観などの多くの要素を細かく決めていきます。必要採用者数をペルソナから算出すると以下のようになります。

必要採用者数(ペルソナ法) = 人員採用計画に必要な要素 × その仕事を行う人物(採用ペルソナ)

2.面接前の心得と面接時の心得は違います

◆求人に応募があったときの対応

採用ペルソナを明確にしたら、次は求人になります。

ところで求人応募で使用されるツールで一番多いのは何でしょうか?

答えはスマートフォンです。スマートフォンの普及率は85%を超えており(2019年時点)、世代を20歳代から60歳代のいわゆる現役世代に限ると9割を超えていると言われてます。スマートフォンは常に手元で携帯している方がほとんどですので、求人に応募があったらクイックレスポンスで対応するのが基本になります。

ただ現役世代であってもメール、WEBやアプリなどインターネットへの苦手意識から電話以外にスマートフォンを活用をしていない地域特性もあるので注意が必要になります。

具体的には、求人に応募があった24時間以内に対応することが可能なように、

①応募に対応する人
②面接の社内段取りを行う人(誰が面接するのか?等)
③面接アポを取る人

などの役割分担は事前に定めておいて、折角の応募者が他社(他店舗)に流れてしまわないよう、面接前のクイックレスポンス体制の構築をしておくことが必要です。

次は、面接のときは、どうすれば良いのでしょうか?

◆面接の事前準備

店舗経営で一番重要な「人」を面接という機会に、限られた時間で「適正」と「資質」を見抜くことが必要になります。例えば一人に1時間かけて、一日10名面接すればそれだけで10時間要すことになり、それだけで一日が終わってしまい他の業務ができません。

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