ピープル・ビジネス理論 2章 ビジネスモデル論 5.不安定経営からの脱却

不安定経営からの脱却

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「働けど働けどなお、わがくらし楽にならざり」 主な原因は『確実性、信頼性に欠ける精度の低い経営』。経営の精度向上をビジネスモデルで実現し、競合優位性を図る

経営の精度向上で安定経営を実現するビジネスモデル設計

経営が安定しない主な原因は、確実性、信頼性に欠ける精度の低い経営

 創業時は、店舗数も少ないため経営者が現場の品質、サービスや清潔さ、そしてお客様の表情などに常に目を配らせて、その場で指示し、改善をさせることができた。

しかしながら、店舗展開を進めていくと、創業時のように経営者の目が行き届かなくなり、QSC(お客様満足度)、生産性、従業員満足度などが低下し、店は荒れ、離職率は上がり、客離れから売上や利益の低下を招く事態になって、ようやく現場実態に目を向けることが多い。

店舗数が増えれば、経営者がこれらすべてを把握し対応することは困難なため、経営者代行であるスーバーバイザー(SV)を通じて店舗経営を行うことが求められる。つまり、これまでのような直接的マネジメントとはまったく異なる間接的マネジメントに移行することが求められる。

この時点で、ほとんどの本社本部は基準書やマニュアル類を作成して店舗に配布することが多いのだが、実はここで大きな壁にぶち当たることになる。

このような状況を指して店舗経営(ピープル・ビジネス)では、「Credibility Gap(クレディビリティ ギャップ)」と呼び、「確実性、信頼性に欠ける精度の低い経営」の意で、実態は達成されない仕事と精度の低い業務品質に集約されると言っていい。

前に記したように息つく間もなく襲い掛かる問題や困難がいまだ繰り返され、その負担が現場を圧迫している。

(詳細)前の記事「ピープル・ビジネス理論 2章 ビジネスモデル論 4「撤退する店」と「生き残りチェーン化する店」の違い」へ

「経営が安定しないワケ」なぜ基準書やマニュアル通りに達成できないのか?なぜ問題が繰り返されるのか?

 大きな壁とは、本社本部が作成した基準書やマニュアル通りに現場が動けない。基準や目標を達成できないことを指す。

品質も悪く、生産性も低い。商品は欠品し、店は人でごった返してスッタフも混乱し、お客様からクレームが発生。本社本部は再発防止どころか、その対応に追われさらに業績も低下していく。

その悪化した業績の穴埋めのため、このような状況でも出店を繰り返し、最悪撤退に追い込まれて、倒産してしまう。

なぜこのようなことが繰り返されるのであろうか。

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