何曜日の、どの時間帯に、働ける人が何人必要なのか
せっかく採用しても土日はお休み希望のスタッフを抱え、必要な時に人手不足にならないために
これまでに解説してきた
を実施して、次に必要なことはスタッフィングの総括ともいえる「必要採用者数を算出」することです。
ほとんどの店の場合、この「必要採用者数の算出」から始めていることが多いので、人手不足を招いていることがあります。
なぜならば、店舗経営の特性から、
・どの何曜日の
・どの時間帯に
・何人必要なのか?
をよく考慮した上で必要採用者数を算出することが重要です。
もちろん、店舗経営に従事している皆さんにとっては当たり前のことかもしれませんが、この当たり前の考え方がマネジメントチームで共有されていないと採用したものの、従業員が休みを取りたがる土日祝はお休み希望の従業員を抱えてしまうことになり、必要な時期に人員確保ができない問題に直面することになります。
そのため、ここではこの問題を解決するためにモデルワークスケジュール作成による曜日別、時間帯別の必要人員数把握の方法を紹介しましょう。
曜日別、時間帯別の必要人員数の把握
人手不足だと計画した集客などの重要な活動が後回されて機会損失に
通常の場合、通常営業から必要人員数を見積もっていますが、その場合、ピークの波を捌ききれなかったり、スッタフの従業員の遅刻欠勤などの突発的事態に対応できないことがあります。
結果、オペレーションは乱れ、売上獲得機会の損失、苛立つお客様、はたまたクレームに発展して店舗はただただ忙しく、従業員も店長も達成感や満足度のない、ただ疲れるだけの職場で退職という結果をまねいてしまう。
つまり、これまでに説明してきた通り、人が集まらない店舗イメージになってしまうのです。
通常営業に在籍している人に業務を割り振っていれば、土日祝の繁忙期や早朝や深夜などの時間帯は人手不足になりやすいし、人の育成やフロアサービスなどの売上アップに直結しない(「非生産高労働時間」詳細は後述)が重要な活動もおぼつかなくなります。
さらに、売上獲得に必要な店舗マーケティング(ストアレベルマーケティング)などの集客活動も人手不足だと後回しにされてしまい、発注したチラシやクーポン券などの販促ツールを捌ききれず、期限切れの不良在庫を抱えることにもつながります。
人手不足を解消する必要人員数算出のポイント
では、このような事態を防ぐためには、どのようにすればいいのでしょうか。
人手不足による機会損失を防ぐためには、売上獲得ができる業務量から必要な人員を割り当てていくことで、「業務に人を合わせる」という考え方が必然になります。
すなわち、通常営業の業務以外に売上獲得、利益の確保、お客様満足度の向上、人の育成のための活動を考慮して業務量を見積もり、いつ、どの時間帯に何をすることが必要なのかを明確にし、必要な人員数を見積もることです。
その具体的方法は、各曜日別や時間帯別の売上や客数の獲得に必要な人員数、そして、オペレーションやマーケティング活動の業務遂行に必要な人員数を下図のような「モデルワークスケジュール」を作成して把握します。
適正人員算出において、この「在籍する人員に業務を割り振っていく」のではなく「業務量を見て必要な人員を割り当てていく」という考え方がとても重要です。
人手不足や過剰人員の対策のために、自店舗の「モデルワークスケジュール」作成し、適正人員について見直しをしてください。
「モデルワークスケジュール」は、下図を参考にしてください。