ドミノ・ピザとスターバックスに学ぶグローバルビジネス (第3回)アルバイトリーダーとしての自覚

イルミネーション 雪

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「働く誇りとプライド」と「リーダーとしての自覚」を教えてくれたのはマニュアルではなく、クリスマスシーズンの冷たい雪の日だった

アルバイトリーダーとしての自覚

正社員への道を決意してしてからの私は、アルバイトのリーダーとしての自覚を自ら持つようになった。

更衣室の整理整頓、清掃用具の保管方法、ジャイロ(デリバリー用三輪バイク)の整列駐車など、店の環境整備の状態がとにかく気になってしょうがなかった。

更衣室に入ると床にハンガーが落ちている。ランドリーボックスに汚れた制服が投げ込まれたまま。掃除はきっちりできているのに清掃用具が乱雑に保管されている。そもそも清掃用具そのものが汚いし、店頭が狭い中に駐車しているジャイロが整列されていないなど、常に周囲から見られているという意識や次の人が気持ちよく使えるようにするという思いやりの姿勢を感じられず、がっかりしていた。

これまでの自分なら文句を言いながら見過ごしていたこれらの状態に対して、正しいと思う姿と現状を周囲のメンバーに伝え、都度指摘しながら環境改善を試みるようになっていった。

ある日の休憩時間にそれは起きた。店舗環境は悪化して目に余る事態

オペレーションの状況からマネジャーの指示を受けて、順次休憩に入るわけだが、その際にクルーパイ(パートアルバイトスッタフのまかないピザ)が用意される。

最初に休憩に入るクルー(パートアルバイトスッタフ)は熱々のピザを手にすることができるわけだが、順番に休憩に入るので、後から休憩に入るクルーには残っている量も少なくて、ただの冷めたピザになってしまっていた。

その日の休憩は後半の後半、クルーの中でも最後だった私は少々諦めた気持ちで「冷めたピザでも残っているだけでも助かるな」と思いながら休憩室に向かった。すると目に飛び込んできたのは、食べ残されたピザの耳のかけらだけ残っている空の箱が放置されている状況だったのだ。

同じような光景はこれまでも見てきて、都度自分が片付けていたのだが、この日だけは不満となって爆発したのだった。

「最後にクルーパイを食べたのは誰だ!なんで空になった箱を捨てずに放置するんだ!」と。

「クルーパイを食べられるのは当たり前じゃない!感謝して食べて後始末もちゃんとやらないと!!」

クルーパイがなくなっていたことでなく、後始末していない状態が許せなかったのだ。

どちらかというと、いつもは温和な私が感情的になる姿は周囲のメンバーにかなり刺さったようで、一瞬で空気が凍り、皆の顔がこわばったのを思えている。そして次の日から空のまま放置されている箱を見ることはなくなった。

どんなに忙しくても、いつも周囲のメンバーへの感謝や意識を持ち続けてより良い環境を作っていくことは、仲間とともに仕事をしていく上では重要なことであり、それがチームワークのベースなのではと感じていた。

そして何よりも自分自身がそのような姿勢を持ち続けることが大切なのだと実感していったのだった。

「オペレーション・コミュニケーション」で現場を活気づけ、人を育て、組織を構築する

店内の仕事でも基本の大切さを目の当たりにしていた

入社時研修で学んだ「HTA-Heightened Time Awareness」ポリシー。これはオーダーを受けてから30分以内のお届けするというギャランティー*実現のために、ピザメイクもデリバリーもそれぞれのポジションで高い時間の意識を持ち続けるというものであり、各要所における目標タイムが設定されていた。

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